摂取するスープの温度が温度感覚,体温および心拍数に及ぼす影響
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概要
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本研究は,摂取するスープの温度が温度感覚,体温および心拍数に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。健常女子大学生13名(22。2±3。2歳)を被験者とし,ランダム化クロスオーバーデザインにて試験を実施した。前夜から絶食した状態で温スープ(87kcal,70℃),冷スープ(87kcal,10℃)または温湯(0kcal,70℃)をそれぞれ異なる日の朝に摂取させ,摂取後60分間の温度感覚,鼓膜温,口腔温,心拍数などを測定した。温度感覚と口腔温の変化量は,摂取直後に温スープと温湯で冷スープに比べ有意に高値を示した。鼓膜温変化量は,3試験区間に有意差が認められなかった。心拍数変化量は,摂取直後に温スープで,冷スープと温湯に比べ有意に高値を示した。摂取直後の口腔温は局部的な温度を反映し,鼓膜温は核心温度を反映すると考えられる。従って,スープ摂取直後の温度感覚の変化には,核心温度ではなく局部的な温度変化が関与すると推察された。また,試験食の中で温スープのみに認められる要因はより高いおいしさであったため,温スープ摂取後の心拍数の変化には,おいしいと感じられる味刺激が関与すると推察された。
- 日本食品科学工学会の論文
- 2012-06-00
日本食品科学工学会 | 論文
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