肥効調節型肥料の紐上置肥によるトマトの防根給水ひも栽培
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概要
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防根給水ひも(以下,「ひも」)栽培において,土壌再利用の容易化のために,栽培後に残存肥料を取り除ける施肥法として「紐上置肥(以下,置肥)」について検討した.置肥とは肥料を透水性の袋に詰め,栽培容器内の「ひも」上に置く施肥法である.本試験では,この方法(置肥区)と通常の土壌混和法(混肥区)を中玉トマトの第7段摘心栽培で比較した.栽培期間は9~2月の132日間であった.草丈には差がなかったが,茎径は摘心時にはすでに置肥区の方が細かった.1株当たりの収量は置肥区で2.1kg,混肥区で2.4kgとなった.置肥区の肥料袋を栽培後に土壌から取り出し分析したところ,total-N,P2O5,K2O,CaOおよびMgOの溶出率はそれぞれ60,40,50,50および30%であった.栽培後の土壌養分の分析から,置肥区の各養分量は栽培中に増加せず,養分集積のなかったことを示すとともに,混肥区におけるtotal-N量は増加したことから,置肥法では土壌の再利用が容易になると判断された.置肥区における容器内の総養分減少量は,混肥区よりも少なかった.置肥区の低い栄養成長と収量は,袋からの肥料の溶出率が低いことに起因していると考えられ,初期の生育ステージにおいて肥料の溶出率を高める施肥法の検討が必要であると考えられた.
- 園芸学会の論文
- 2011-01-15
著者
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