メタン発酵プラントのトラブル記録と長期運転データの解析--山田バイオマスプラントを事例として

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2002年にバイオマス・ニッポン総合戦略が閣議決定されて以降、バイオマスを用いて、エネルギーやマテリアルを製造し、利用する取り組みが各地で行われている。メタン発酵技術は、バイオマスからエネルギーを取り出す代表的な技術の一つであり、メタン発酵微生物の代謝作用により家畜排せつ物等の有機物を嫌気条件下においてメタン（CH4）と二酸化炭素（CO2）に分解する生物化学的プロセスを利用して、メタンを回収する技術である。メタン発酵においてメタンとともに生成されるメタン発酵消化液（以降、「消化液」とする）は、速効性肥料として、化学肥料を代替できる。家畜排せつ物のメタン発酵は古くから行われてきた技術である。メタン発酵により得られるエネルギーは再生可能エネルギーであること、メタンを化石エネルギーの代替として用いることにより温室効果ガス排出量が削減できること等の理由により近年再び注目を集めている。1990年代後半から北海道、南九州や東北地方を中心に、メタン発酵プラントが多く建設されるようになってきている。本報では、著者らが2005年7月からバイオマス利活用の実証研究を行ってきている山田バイオマスプラント（千葉県香取市に試作・設置）の約4年間のトラブル記録、運転データを解析し、メタン発酵プラントにおける物質収支、エネルギー消費の特徴、トラブルがプラントの運転に与える影響を明らかにする。なお、本報で扱うトラブルとは、メタン発酵プラント内で起こる、プラントの安定的な運転に支障を与える出来事と定義する。
農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所の論文
2010-03-00

メタン発酵プラントのトラブル記録と長期運転データの解析--山田バイオマスプラントを事例として

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