秋田比内地鶏のDNA識別手法の確立(3)
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概要
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我々は前報(力丸ら、2009)で、比内鶏のZ染色体上のマイクロサテライトDNAマーカーを調査することによって、比内地鶏と他の種鶏を識別する方法を報告した。しかし、鶏卵からのDNA抽出は困難であるため、比内地鶏の卵についてはDNA識別ができなかった。そこで、我々は卵殻からのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅可能なDNA抽出手法を開発した。卵殻を粉砕後、エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム(EDTA-2Na)溶液を用いて完全に脱灰し、その後、常法にしたがって、フェノール-クロロホルム抽出およびエタノール沈殿を行い、DNAを回収した。その結果、従来法よりも50倍効率的にDNAが回収できた。同DNAを鋳型として、比内地鶏の識別に用いる10個のマイクロサテライトDNAマーカーのPCRによる増幅が可能であった。同マーカーにおける比内地鶏の卵の遺伝子型は、比内鶏と合致し、ロードアイランドレッドの卵は、比内鶏および比内地鶏の卵と識別することができた。以上の結果から、卵殻からの簡単かつ効率的なDNA抽出手法が確立されたことにより、比内地鶏卵のDNA識別が可能となった。
- 2010-03-00
著者
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