石臼挽きそば粉の特性に及ぼす保存の影響
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概要
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本研究では保存日数経過にともなうそばの風味とテクスチャーの変化を官能評価と機器分析により確認し、機器分析による客観的手法の確立を検討した。石臼挽きそば粉をクラフト包材に25℃で14日間(2週間)保存し、官能評価と味覚センサ、GC-MSおよびテクスチャーアナライザなどの機器分析で、次のような知見が得られた。(1)官能評価では保存日数の経過と共に食味が低下し、苦味、渋味の増加、香りの低下、硬さの増加が起こることが明らかとなった。(2)機器分析では味覚センサ、テクスチャーアナライザによるいずれの分析でも、保存日数経過にともなう食味の変化を確認できた。味覚センサでは保存日数経過による「苦味」、「渋味」を示唆するセンサ出力の変化が確認された(P<0.05)。GC-MSでは香気成分の減少が確認された。テクスチャーアナライザでは「伸長度」の減少が確認され(P<0.05)、麺がもろくなっていることが示唆された。(3)味覚センサの主成分分析の結果、主成分1で保存日数の違いが示され、これは官能評価における「苦味」および「渋味」を示すことが推察された。すなわち、味覚センサで保存日数によるそばの味の違いを判別できる可能性が示唆された。(4)そばの食味は日数経過と共に変化し、ソバ製粉後14日目には明らかに苦味、渋味が増加し、テクスチャーが次第に変化し、香りも減少していくことがわかった。
- 日本食品科学工学会の論文
- 2009-10-00
日本食品科学工学会 | 論文
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