技術科教育における場依存・独立型認知スタイルによる学習意欲の差異
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概要
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本研究の目的は、中学校技術・家庭科技術分野(技術料)において、学習者の場依存・独立型認知スタイルが学習意欲に及ぼす影響を検討することである。中学3年生計213名(有効回答179名)を対象に埋没図形テストを用いて学習者の認知スタイル測定を行った後、質問紙法によって学習意欲を把握し、両者の関連性を分析した。その結果、技術料における学習意欲は、場依存・独立型認知スタイルによって影響され、場独立型の学習者の方が場依存型の学習者よりも、「成就感・達成感への期待」「知的好奇心」「操作・活動への期待」を強く喚起されやすい傾向にあることが示された。また、認知スタイルによって「学習の意義理解」と「知的好奇心」の優位性が異なり、特に場依存型の学習者において「知的好奇心」の優位性が低くなる傾向が示された。これらの結果から、技術料における学習意欲を喚起するためには、体験的・実践的な学習活動を基礎としながらも、学習者の認知スタイルの違いに配慮した支援の方策が重要であることが示唆された。 The purpose of this study is to examine the differences in the learning motivation by field-dependent and field-independent cognitive style in technology education. We have conducted a survey on 213 junior high school students (with 179 valid responses) by using “Embedded Figures Test” and “Scale of Students’ Learning Motivation”. As a result of the ANOVA, we have suggested that field-dependent and field-independent cognitive style has been influential in students’ learning motivation. In particular, learning motivation of field-dependent learners was strong such as in “ a sense of accomplishment expectation of fulfillment,” ”intellectual curiosity,” ”expectation of operational activities”). From these examinations, we have pointed out that assistance for students in necessary to consider specific strategies to increase learning motivation of field-dependent learners.
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