技術・家庭科技術分野「情報とコンピュータ」における学習者熟慮・衝動型認知スタイルを考慮したディジタルコンテンツ活用方略の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、中学校技術科「情報とコンピュータ」の学習指導において熟慮・衝動型認知スタイルを考慮したディジタルコンテンツの活用方略を実践的に検討することである。筆者らはこれまで、ディジタルコンテンツ活用と学習者の熟慮・衝動型認知スタイルとの関連性を検討し、衝動型の学習者では、マルチメディア性の強い教材において学習内容の理解が促進されやすい半面、熟慮型の男子はマルチメディア性の強い教材では学びにくさを感じやすい傾向にあることを指摘した(市原ら2009)。そこで本研究では、衝動型認知スタイルによるこれらの差異を解消するために、学習中にモニターに提示されるマルチメディアコンテンツを任意のタイミングで自由に画像キャプチャーさせる手立てを用いた。その結果、認知スタイルとストラテジー有無群間で交互作用が有位傾向を示し、少なくとも熟慮型の男子においては本実践の手立てによってマルチメディア性の強い教材を利用した場合の学びにくさを解消することができた。 The purpose of this paper is to examine instructional strategy for digital contents use in technology education by consideration of students’ reflection-impulsivity cognitive style. We have already suggested that there were differences between reflectional students and impulsive students in the case of learning with digital contents(Ichihara et.al 2009). Impulsive students’ understanding of learning contents is more easily promoted with multimedia digital contents. On the other hands, we pointed out that reflectional students felt difficulty in learning by multimedia digital contents. Consequently, in this paper, in order to resolve these differences in students’ reflection-impulsivity cognitive style, we can let students capture freely the content of learning from contents shown by a monitor of learning strategy.As a result of experimental practice, we learned that the difference in understanding between reflectional students and impulsive students in learning with multimedia digital contents had disappeared using this strategy
著者
関連論文
- 技術・家庭科技術分野「情報とコンピュータ」における学習者熟慮・衝動型認知スタイルを考慮したディジタルコンテンツ活用方略の検討
- 技術科「情報とコンピュータ」における学習の有用性と指導の困難性に対する教師の意識
- 技術科教育における学習者の認知的実態に即したディジタルコンタンツの教材利用に関する研究課題の展望
- 工業科目「情報技術基礎」における生徒の自己効力が自己概念形成に果たす役割
- 工業高校における生徒の自己概念の構造 : 兵庫県・大阪府下における調査に基づいて
- 中学校技術科における照明器具の温度計測試験を通して安全性に対する意識を高める授業の実践
- 教育現場からの実践報告 材料加工学習における先行導入題材の開発と実践--安価なSPF材を活用して
- 技術科教育における場依存・独立型認知スタイルによる学習意欲の差異
- 中学校技術科における生徒の問題解決に対する熟慮・衝動型認知スタイルの影響
- テキストマイニングを用いた高校生の電子メールに対する意識の分析
- 情報活用の実践力に対する熟慮・衝動型認知スタイルの影響 : 中学生を対象とした検討
- 工業高校における生徒の自己概念研究の展望と課題
- 中学校技術科における生徒の立体描画能力の形成を支援する製図学習の検討--立体認識能力の差異に着目して
- 情報活用の実践力に対する熟慮・衝動型認知スタイルの影響 : 中学生を対象とした検討
- 中学校 男女分けから始まる不合理・差別--共学10年で変わった私の人生観 (教室から)
- プレゼンテーションソフトを活用した拡大提示教材に対する教師の教材評価の視点形成
- 工業高校における生徒のセンスと授業及び進路に対する意識との関連性
- 工業高校生の情報活用能力とコミュニケーション能力の関連性 : 熟慮・衝動型認知スタイルに着目して
- 生物育成と道徳的規範の関連に関する一考察
- 技術科教育における生活応用力の育成に効果的な実践形態の検討
- 工業高校生の自己概念の変容・形成過程の縦断的事例検討ー入学から卒業までのエスノグラフィーを通してー
- 工業高校生の自己概念が共感的コーピングの形成に果たす役割
- 工業高校の「課題研究」における製作活動が生徒の自己概念形成に及ぼす影響
- 工業高校生の自己概念と学校適応との関連性
- 技術科教育における生活応用力の形成に関する因果モデルの検討
- 技術科教育における生活応用力を育成する学習指導方法に関する研究課題の展望
- 概念地図法を用いた計測・制御システムに対する中学生の既有概念の類型化
- 技術科教育における学習経験の生活応用力の構造的把握