市民参加・森林環境ガバナンス論の射程-森林ボランティアの役割を中心として-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
複雑化する環境問題の解決のために多様な主体の協働に基づく,新しいガバナンスの構築が求められている。森林環境ガバナンスの構築には市民社会が重要な役割を果たし,森林ボランティアはその具体的活動例であるといえる。日本の森林は伝統的に農村地域コミュニティによって保全されてきた。しかし,現在の森林ボランティアは都市住民が森林保全作業へ参加する活動としてはじまり,国産木材の利用増加に向けた運動や政策提言へと展開しているところに特徴がある。森林ボランティアの数は近年,劇的に増加をみせると同時に,コミュニティからナショナルレベルの範域において他の主体とのネットワークを形成している。森林ボランティアの活動は,都市と農山村を結ぶ「新しいコモンズ」の形成のために不可欠な活動であるといえよう。The solutions to increasingly complex environmental problems necessitate new governance based on the cooperation of diverse actors. The role of civil society in creating new forest governance is important, and forestry volunteering is a specific example of the kind of action required. Japanese forests have traditionally been preserved by agricultural communities. However, the current forest volunteer activities were started by residents in cities through their participation in forestry preservation work and are characterized by the volunteers' efforts in promoting the use of domestic wood and in making political suggestions. The number of forestry volunteers has increased dramatically in recent years, and have formed networks with other actors from the community to the national level. It is essential that the work of these forestry volunteers help form a "New Commons" connecting cities and rural villages.
著者
関連論文
- 市民参加・森林環境ガバナンス論の射程 : 森林ボランティアの役割を中心として(テーマ:地域森林管理の主体形成と林業・山村問題,2010年春季大会)
- 農山村地域における多様な主体の協働による市町村交通サービスの在り方 : 岩手県雫石町「あねっこバス」を事例として
- 参加型地域づくりへの一般住民の参加の質に関する調査研究
- c5.山村振興における交流事業の現状と地域住民の関わり方に関する研究 : 地域づくりの観点から(◇2001年度農村計画学会◇2001年度春期学術研究発表会の概要)
- 市民参加による森林保全活動と森林教育 : 森林ボランティアを中心に(森林教育の新たな地平を拓く)
- ツキノワグマ保護管理における基礎自治体の役割と今後の展望 : 岩手県盛岡市と長野県軽井沢町を事例として
- 里山での活動を支援するセンサネットワーク環境構築の提案(ユビキタス・センサネットワークの要素技術,コンテクストの抽出,スマートスペース,ユビキタス生活支援,一般)
- 市民参加・森林環境ガバナンス論の射程-森林ボランティアの役割を中心として-
- 山村地域における多様な主体の協働による市町村交通サービスの在り方-岩手県雫石町「あねっこバス」を事例として-
- 国立公園管理ガバナンス構築に向けた市民・住民活動の現状--十和田八幡平国立公園八幡平地区を事例として (2007年度北日本林業経済研究会シンポジウム 自然公園と地域社会)
- 森の健康診断-100円グッズで始める市民と研究者の愉快な森林調査-, 蔵地光一郎・州崎燈子・丹羽健司編, 築地書館, 2006年4月, 165ページ, 2,100円(税込), ISBN4-8067-1326-0(ブックス,Information)
- 林業動静年報 研究・教育編 森林管理と利用の新たな動向--多様な主体の協働をキーワードに
- 国立公園管理におけるパークボランティア制度の意義と課題
- 人と森の環境学, 井上真・酒井秀夫・下村彰男・白石則彦・鈴木雅一著, 東京大学出版会, 2004年10月, 178ページ, 2000円+税, ISBN4-13-062140-8
- 森林ボランティアの現状と課題
- 「国政策至上主義」からの脱却(2003年春季大会シンポジウムコメント)
- 森林と人との多様な関係の再構築を目指して--参加と分権に基づく森林管理
- 当たり前のことではありますが
- 中山間地と多面的機能, 田渕俊雄・塩見正衛編著, 農林統計協会, 発行年月日, 2002.1.10, 総ページ数183, 値段2000円+消費税
- 平成13年度演習林におけるエクステンション活動に関する報告
- センサーネットワークを利用した野生動物の生態研究(ドキュメントオートメーションとオンサイトデータ活用技術,及び一般)
- 滝沢演習林1林班スギ学術参考林の毎木調査(1998)
- センサネットワークを利用した林業活動を支援するウェアラブルシステムの構築(不均質なライフログからのデータマイニング及び一般)
- 当たり前のことではありますが
- 平成13年度演習林におけるエクステンション活動に関する報告
- 木を伐るということ
- 平成12年度演習林におけるエクステンション活動に関する報告
- 「市民参加の森づくりシンポジウム 21世紀の森林を誰が,どう守るのか」の概要とその意味するもの
- 森林ボランティアの現状と可能性 : 市民セクター形成を中心に
- 山の幸を楽しむために
- 市民に対する森林・林業教育のあり方に関する研究
- 森林の「社会的管理」に関する研究
- 森と環境の世紀 住民参加型システムを考える, 依光良三著, 日本経済評論社, 東京, 292ページ, 1999年, 2500円+税金
- 森林環境管理学習II(平成8〜9年度)における施業計画の策定シミュレーション
- 滝沢演習林におけるモニター制度の概要
- 第36回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事受賞者ルポ 皆で共に生きていくために(都市近郊の共生の山づくり)--吉田俊和氏の林業経営(岩手県盛岡市)
- 祭礼行事のソーシャル・キャピタルへの影響 : 岩手県陸前高田市気仙町けんか七夕を事例に
- 東北地域における森林ボランティア活動の現状と課題(統一テーマ 森林空間利用の諸形態とその社会経済学評価,一九九九年度北日本林業経済研究会報告)
- 市民参加活動における「林業教育」と森林管理(転換期の森林・林業教育の現状と課題(I))
- 第1報告 国立公園管理ガバナンス構築に向けた市民・住民活動の現状 : 十和田八幡平国立公園八幡平地区を事例として(自然公園と地域社会,2007年度北日本林業経済研究会シンポジウム)
- 「地域森林管理の主体形成と林業・山村問題」討論要旨(2010年林業経済学会春季大会シンポジウム)
- 市民と森林をむすぶ森林教育 : 森林教育研究が求められているもの
- 森林教育の課題と展望(II)
- 森林教育の課題と展望
- 東北地域における林業家による森林教育・林業教育の現状と課題
- 国立公園におけるアクティブレンジャーの役割と実態 : 十和田八幡平国立公園十和田八甲田地区を事例として
- 国立公園制度の歴史にみる中央集権から : 分権・協働的管理への転換の必要性(村串報告へのコメント,国立公園と森林管理-その成立、理念と実際-,(財)林業経済研究所 第6回シンポジウム(林業経済学会共催))
- 森林ボランティア団体の実態とNPO法人化への動向
- 東日本大震災後の青森県・岩手県の林業・林産業の現状(3.11後の森林・林業・林産業(1))
- パネルディスカッション(自然公園と地域社会,2007年度北日本林業経済研究会シンポジウム)
- 村串仁三郎著, 国立公園成立史の研究-開発と自然保護の確執を中心に-, 法政大学出版局, 2005年4月, 417頁, 7875円, ISBN:4-588-64538-2