日本古代琴資料集成(昭和五四年度)
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概要
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最近、考古学の世界はおびただしい件数の発掘調査、すぐれた調査技法にささえられて重要な成果を世に送り、各分野で急激に学の深まりを見せている。そうした顕著な一分野に、日本古代音楽史・楽器史への語りかけがある。従来、こうした分野では日本・東洋音楽史の研究者からの発言が基盤となっており、古事記・日本書紀・風土記などから在り方が説かれ、正倉院や社寺に所蔵される諸楽器や人物埴輪像にともなう諸楽器を通じてその実際が示されてきている。しかし、この数年の間に、発掘調査に伴って発見される楽器の諸資料の目を瞠るばかりの急激な増加により、その発生や展開、用法や系譜といった各方面について考古学の世界からも種々の見解の提示が可能となるに至った。こうした現況の中で最も重要なことは、音楽史学と考古学が緊密な連繋をとり、より注意深く資料を生かしだ解釈の確立をはかり、広範な諸問題を凝視することであろう。その第一歩として、考古学の世界に今日まで顕現している資料を集成し、広く提示する作業から着手することとし、まず「琴」の諸資料を掲げることにしたい。なお、邦楽社の依頼をうけて、昭和五三年十一月末までに知見に上っていた資料については「琴歌譜以前のコト」と題して『季刊邦楽』第一八号(昭和五四年三月刊)に掲載したところであるが、調査報告書の刊行により数値に変化を生じた資料や詳細の判明した資料もあり、また新しく発見された資料も存在するので、昭和五四年九月末日までの全資料を総括集成することとする。
- 奈良大学の論文
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