石馬・石人一九州・淀江・畿内を結ぶもの
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概要
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卵形、上部に口をあけ、胴の表に四つの小孔、裏に二つの小孔を穿った小さい土器がある。こうした土器に「陶阻」の名が与えられたのは極く最近のことである。平たく言えば土笛である。中国古代の礼楽器-陶限は、弥生時代前期、北部九州から日本海沿岸を経て富山県にまで拡る楽器である。瀬戸内海沿岸、太平洋岸にはいまだその例を見ない楽器であるだけに「日本海の音色」といえるであろう。弥生社会の成立時から北部九州と日本海沿岸に開拓された集落や港津が深く繋っているのである。秦始皇帝の国家統一の過程で中国・朝鮮半島の人々を引きつれて北部九州に至った人々流れが、やがて日本海沿岸、瀬戸内海沿岸、太平洋沿岸の三コースをとり東進するのであるが、その航路は故地で区別されたのであろうか、「陶阻」を携えた人々が日本海沿岸を往くのである。
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