超急速凍結保存した体外受精前核期卵を用いたトランスジェニックマウス作製方法の確立
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概要
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継続後誌:近畿大学先端技術総合研究所紀要= Memoirs of Institute of Advanced Technology, Kinki University顕微注入法によるトランスジェニックマウス作製には、多量の前核期卵を必要とする。本実験では、簡便なトランスジェニックマウス作製方法を確立するため、超急速凍結した前核期卵を供試することを行った。中潟 (Nakagata N. 1990 Exp. Anim. 39: 303-305)の超急速凍結法で凍結した前核期体外受精卵149個を融解後供試し、β-act/luc+融合遺伝子を顕微注入した。注入操作後、形態学的に正常な受精卵109個 (73%)を5匹の受卵雌マウスに移植した。その結果、全てのマウスが妊娠し、最終的に15匹(14%)の産子が得られた。一方、470個の体外受精卵について同じ胚操作後356個(75%)が生存し、これら全てを14匹の受卵雌マウスに移植した。そのうち78%の受卵雌マウスが妊娠して、54匹(18%)の産子が得られた。得られた産子については、サザンプロット解析により染色体への導入遺伝子の組み込みを調べた所、凍結受精卵区と体外受精卵区でそれぞれ6%(1/15)、5%(3/54)のマウスにおいて導入遺伝子の組み込みが確認された。さらに、両区の全てのトランスジェニックマウスの尾部組織で、導入遺伝子であるルシフェラーゼ遺伝子の発現が観察された。以上の結果より、顕微操作後の生存胚、産子率及び移植後のトランスジェニックマウス作製効率とも凍結受精卵区と体外受精卵区に差が認められなかった。以上、本実験で、体外受精と超急速凍結技術を使ったTgマウス作製方法の確立が示され、それによって実験時間の短縮と作業の簡略化が可能であることが明らかになった。 (英文) Many pronuclear eggs were used to generate transgenic mice (Tg) by microinjection of transgenic. In this study, we used in vitro fertilized mouse eggs, followed by ultrarapid freezing to establish a simple procedure for production of Tg mice. We produced in vitro fertilized mouse eggs and cryopreserved them by ultrarapid freezing method (Nakagata N. 1990 Exp. Anim. 39 : 303-305). A total of 149 cryopreserved-thawed pronuclear eggs, of which 109 (73%) were survived following microinjection of chicken β-actin promoter-driven firefly improved luciferase cDNA (β-act/luc+) and were transferred into 5 recipients. All recipients became pregnant and gave birth to a total of 15 (14%) pups. As a control, same DNA construction ( β-act/luc+) was also injected into 470 in vitro fertilized eggs, of which 356 (75%) were survived and then were transferred into 14 recipients. Eleven (78%) mice became pregnant and littered a total of 54 (18%) pups. Southern blotting analysis of transgenic mice indicated that one ( 1/15,6%) and three ( 3/54, 5%) transgenic mice were produced from cryopreserved and in vitro fertilized eggs, respectively. All transgenic mice produced from both eggs showed the expression of improved luciferase gene. These results indicated that efficiency of production of transgenic mice from cryopreserved eggs was comparable to that from in vitro fertilized eggs. Furthermore, it is suggested that microinjection of transgene into in vitro fertilized eggs cryopreserved by ultrarapid freezing is an easy and conveniently method for production of transgenic mice.
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