実態調査にみるEU諸国民の外国語能力 : 運用能力の向上と主要外国語(英語,仏語,独語)の突出
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概要
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現在加盟国15か国を数えるEU(ヨーロッパ連合)は,1957年にEEC(ヨーロッパ経済共同体)としてドイツ,フランス,オランダ,ベルギー,ルクセンブルク,イタリアの6か国により設立されて以来,拡大を続け,統合の度合いを強めてきた。EECは設立の初めから加盟国の国語に等しい権利を与え,その公用語・作業言語と定めた。これがEEC特有の「多言語使用の原則」である。 EECがEC(ヨーロッパ共同体),さらにEUへと拡大してもこの原則は維持されている。EUは11の公用語・作業言語言語を使用する,世界にもあまり類のない多言語使用の超国家機構となっている。統合がさらに促進し,人,モノ,サービス,資本の自由な移動が現実のものになるにつれ,EU地域の人々のコミュニケーション・スキルの向上が重要な政策課題とみなされている。EU諸国民の外国諸能力の向上については,加盟国の教育・訓練システムを通じて,また,EU支援の外国語振興プログラムを通じて多大な努力が払われている。本稿では,実態調査で明らかになったEU諸国民の外国諸能力の推移と現状を分析するとともに,英語,フランス語,ドイツ語の3主要言語への集中傾向を考察する。
- 富山大学の論文
著者
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