多言語社会シンガポールにおける英語のモデルと規範 : 学校教育現場の理想と現実
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概要
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四つの公用語をもつ多民族国家シンガポールは,1965年の独立後一貫して英語と民族語による二言語教育政策をとってきた。国家建設に際して意図的に選択・採用された言語である英語のその後の普及はめざましく,今日,英語はシンガポール社会の多くの領域・場面においてさらに多くの人々によって日常的に使用される言語となっている。二言語教育の歴史においても,英語重視は次第に強化されてきた。1987年の初等・中等学校の完全統合により,それまでわずかに残っていた民族語別学校は完全に消滅し,以来英語はすべての学校の第一言語となっている。英語はまた,学校の大多数の教科・科目の教授言語でもある。本稿では,社会における英語の浸透とこれに伴う現地種の英語の発展,教育機会の拡大,学校教育における英語の使用の飛躍的増大,といった状況の下で,シンガポールの学校での英語が目指すべきモデルと規範をめぐる議論を整理するとともに,特定のモデル及び規範の追求を困難にしている諸要因について考察する。
- 富山大学の論文
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