シンガポールの「家庭」における言語使用状況 : 1990年センサスの分析を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1965年の独立以後短期間のうちに驚異的な経済発展をなし遂げ,アジアの奇跡と注目されるシンガポールは,多民族・多言語国家としてよく知られている。独立後の国家建設事業において,国民統合は,国家建設の中心課題とされ,政府は多言語政策(四つの公用語の制定)並びに二言語教育を推進してきた。英語と華語(標準中国語)の二つの公用語は特に重視されてきた。英語はすでに行政,ビジネス,教育など社会のさまざまな分野で動かし難しい優位を保っている。最大の民族集団である華人(中国系)に対しては,中国語方言から華語への転換奨励政策が実施されてきた。しかし,シンガポールの言語状況の全体像を理解し,またその言語計画・政策を評価するには,公的な分野以外の,より私的な言語使用領域の事情を理解する必要がある。本稿では,1990年のセンサス(国勢調査)にあらわれたシンガポールの「家庭」における言語の使用状況の推移と現況を分析するとともに,70年代末以降80年代を通して重点的に推進されてきた公的言語政策が家庭という最も私的な領域の言語使用におよぼした影響について考察する。
著者
関連論文
- ウエスタンオレゴン大学との友好協定締結
- 多言語国家スイスの初等学校における言語教育の動向 : 第二言語教育か英語教育か
- シンガポールの「家庭」における言語使用状況 : 1990年センサスの分析を中心に
- ウェスタンオレゴン大学夏季英語研修(学生の海外研修について)
- 実態調査にみるEU諸国民の外国語能力 : 運用能力の向上と主要外国語(英語,仏語,独語)の突出
- 多言語社会シンガポールにおける英語のモデルと規範 : 学校教育現場の理想と現実
- インドネシアにおける英語の役割と機能 : 国語の近代化・発展への貢献
- 英国のポリテクニク・カレッジにおけるビジネス教育の現状と課題
- 実態調査にみるEU諸国民の外国語能力 : 運用能力の向上と主要外国語(英語,仏語,独語)の突出