前立腺肥大症に対するAllylestrenol(OrgAL-25)の臨床的検討--経直腸的超音波断層法による前立腺形態、重量の変化と排尿機能の変化について--
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
前立腺肥大症17例に,allylestrenol 50 mg/日を長期投与(平均37.7週)したところ,1)自・他覚症状の改善が42.9%~92.9%の症例にみられた.2)経直腸的超音波断層法では,前立腺重量で有意な減少が認められ,前後径,左右径でも有意な縮小を認めたが,上下径では縮小傾向に留まった.3)膀胱内圧は64.3%に上昇を,尿道壁圧曲線下面積は54.5%に減少を認めた.4)血清中性脂肪,βおよびPre-βリポ蛋白値はほとんどの症例が正常域内の変動であった.5)血清ホルモン値では,テストステロンに著明な低下を認めた他は,特記すべき変化はみられなかった.6)副作用については,軽度***・ポテンツ低下が1例に認められたのみであった.7)以上の結果から本剤の有用性を確認したSeventeen patients with benign prostatic hypertrophy were treated with 50 mg allylestrenol per day for a long period of time (mean: 37.7 weeks), and subjective and objective findings, transrectal ultrasonotomography, urodynamics, serum lipids and hormone levels were examined. Improvement rates of subjective and objective findings were 42.9-92.9%. A significant decrease in weight and diameter (antero-posterior, lateral) of the prostate was observed, but the difference in the height of the prostate was not significant. Increase in intravesical pressure was observed in 9 out of 14 cases (64.3%) and the decrease in area under the urethral pressure curve at functional profile length was observed in 6 out of 11 cases (54.5%). Slight increase of the serum lipid levels was observed in a few cases, but in many cases the fluctuation was within normal range. Although clear decrease in the testosterone levels was seen, decrease of libido and potency was observed in only one case (5.9%). No other side-effect was found. The overall efficacy rate was 58.8%, and clinical usefulness of Allylestrenol on benign prostatic hypertrophy was confirmed.
著者
関連論文
- 手術困難な前立腺肥大症患者に対する尿道ステント(スパイラル型)留置の検討 : 時に2年以上長期留置における臨床評価について
- 浸潤性膀胱腫瘍に対する経尿道的切除術と動注療法による膀胱保存の試み
- 前立腺肥大症に対する経尿道的超音波ガイド下前立腺切除術(TULIP)の治療成績 第2報 : 第58回東部総会
- TULIPシステムによる経尿道的レーザー前立腺切除術の臨床経験 : ワークショップII : 泌尿器科領域における新しい物理的治療法 : 第57回東部総会
- 浸潤性膀胱癌に対する膀胱保存の試み : ワークショップII : 泌尿器科領域における新しい物理的治療法 : 第57回東部総会
- 画像診断を中心とした前立腺切除術後の治癒過程における経時的観察 : 第80回日本泌尿器科学会総会
- 膀胱癌におけるTUR-Bt術後の予後調査 : 第1報 : 臨床分類の試案とその予後について : 第79回日本泌尿器科学会総会
- 前立腺肥大症に対する局所温熱療法の治療経験
- 前立腺手術における術前後MRIの比較分析(第2報) : 第55回東部総会 : ワークショップ : 尿失禁の治療
- MRIにより巨大な脊髄腫瘍と判明しえた神経因性膀胱の1例
- TUR-Pを施行した1,037症例から発見された偶発癌の検討
- 乏精子症に対する補中益気湯の臨床的効果について
- Lipoangiofibromaの1症例について : 第445回東京地方会
- PP4-007 内シャント狭窄に対する長期ステント留置症例の検討(一般演題(ポスター))
- シャント完全閉塞例に対するPTAの検討
- 輪状尿道脱の12例 : 第47回東部連合総会
- 末期尿路***悪性腫瘍患者における血奨交換療法の臨床効果について
- 膀胱移行上皮癌と腎細胞癌に合併した内分泌非活性と思われた悪性膀胱褐色細胞腫の1例(第452回東京地方会)
- 前立腺肥大症患者におけるシロドシンと塩酸タムスロシンの有効性、安全性についての検討(無作為クロスオーバー試験)と薬物療法の効果不十分例の検討
- 前立腺癌の病期診断 : 経直腸的超音波断層像とMRI画像との比較検討 : 第54回東部総会
- 超音波ガイド下経皮的腎瘻造設術の有用性についての検討 : 第86回日本泌尿器科学会総会
- 稀な病理組織を示した精巣腫瘍の2例
- 結核性萎縮膀胱に合併した膀胱扁平上皮癌の1例 : 第16回山梨地方会
- 前立腺肥大症に対するAllylestrenol(OrgAL-25)の臨床的検討--経直腸的超音波断層法による前立腺形態、重量の変化と排尿機能の変化について--
- 左腎盂と尿道に原発巣をもつdouble cancer : 第441回東京地方会
- 睾丸破裂の1例 : 第392回東京地方会
- 前立腺肥大症における尿道内圧曲線と経直腸的超音波層像との関係について : Anti Androgen療法による変化 : 第74回日本泌尿器科学会総会
- 腎周囲脂肪組織原発と思われる脂肪肉腫の1例 : 第439回東京地方会
- 794上部尿路結石症患者の結石成分と臨床的観察 - 当教室における1938年以来48年間における検討 -
- 両側睾丸腫瘍の一例 : 第415回東京地方会
- 前立腺肥大症に対するプロスタール錠の臨床的効果 : 経直腸的超音波断層像を中心にした判定 : 第47回東部連合総会
- 前立腺肥大症に対するchlormadinone acetateの臨床効果 --超音波断層法による前立腺の形態および重量の変化(3ヵ月間)の検討--
- 後腹膜粘液のう腫を形成した虫垂粘液性のう胞腺癌の1例 : 第438回東京地方会
- 当教室における上部尿路結石の赤外線分光分析による結石成分と年次的推移について : 第44回東部連合総会
- ヒト精巣静脈血中におけるステロイドホルモン分泌動態に関する研究 : 第3報-前立腺肥大症および前立腺癌症例について