医療機関の看護師が行う育児支援について
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概要
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医療機関の看護師は,被虐待のリスクが高い疾患や障害をもつ子どもと,育児負担が高いことが考えられる家族に関わる機会が多く,専門職としての知識と技術をふまえた育児支援を実践していることが考えられるが,その援助の実態は明確にされていない.そこで本研究は,医療機関の看護師が行っている育児支援の実態を把握することを目的とした.A県内の小児科あるいは小児外科を有する病院と診療所1,110施設の,子どもに関わる機会の多い看護師を対象として,職場で行っている育児支援に関する自作の質問紙を用いて調査を行った.対象となった1,238名は【職場で育児支援をどの程度行っているか】という問いに,880名(71.1%)が「必ず行う」あるいは「時々行う」と回答していた.【発熱時の対処方法】【下痢や便秘時の対処方法】【おむつかぶれや皮疹出現時の対処方法】【内服の方法】など,主に子どもの体調に合わせた育児方法の調整に関する支援はよく実施していると捉えていたが,子どもと家族へのソーシャルサポートに関する支援はあまり行われていないと捉えていた.また,子どもと関係の深い部署の経験年数が長い看護師や,子どもと成人の看護を兼任する看護師よりも小児専任の看護師の方が,育児支援をよく実施していると捉えていた.そして,病棟の看護師の方が外来の看護師よりも,よく育児支援を実施していると捉えていた.これには,関わる子どもの疾患の特徴や勤務環境の特徴などが影響していることが考えられた.医療機関の看護師は,疾患や障害をもつ子どもとその家族に対する育児支援の中で,大きな役割を担っている.そして,一時的な健康問題を抱えて来院The purpose of this study is to identify the parenting supports by nurses in clinical settings. The data were collected tllrough the questionnaire. The questionnaire consisted of 34 items about parenting supports. Participants were 1238 nurses who cared for children and their families.The results indicated that 1) nurses often provided information for families about the way of parenting when their children became sick, 2) the more nurses experienced pediatric nursing, the more they supported for parents, and 3) characteristics of children's diseases affected parenting support by nurses.Nurses must recognized nurses' role in parenting supports, understand characteristics of children's disease and families' needs included parenting, and refine parenting supports.
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