高校生における骨量と食習慣及び運動習慣との関連
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
骨粗鬆症は高齢者のQOLを著しく低下させることから、その予防に大きな関心がもたれている。骨粗鬆症の予防として若年期に獲得される最大骨量を高めることが重要とされ1)、そのために栄養バランスの良い食生活と適度な運動を習慣化することが望ましいと考えられている。若年期において骨量と食習慣との関わりについて検討した報告はあるものの2-13)、両者に関連がみられたとするものと関連がみられなかったとするものがあり、見解は一致していない。我々はこれまで、9~22歳の成長期の男女を対象として骨量の年齢別推移を調査した結果、骨量は9歳から14歳までは男女間に差はなく年齢と共に増加すること、15歳以降は女子よりも男子のほうが有意に高値を示すようになること、女子は15歳、男子は18歳で成人と同レベルに達することを報告した14)。また、中学生期における骨量と生活習慣との関わりを検討し、運動習慣のある人及び体力の指標の得点が高い人の骨量が高かったこと、骨量と食習慣には関連はみられなかったことを報告している13)。本報ではさらに、高校生期の骨量と、体格の指標、カルシウムを多く含む食品の摂取状況、運動習慣などとの関連について検討を行った。The purpose of this study was to investigate the relationship between bone mass and intake of calcium-rich foods, habitual exercise, body composition and grip strength in 496 Japanese high school students of both genders aged 15-17y. Transmission index (TI) and speed of sound (SOS) at the calcaneus measured by using AOS-100 (ALOKA Co., Ltd, Tokyo). Osteo sono-assessment index (OSI) is given by OSI = TI × SOS2, used as an index of bone mass. OSI was significantly higher in male than in female. Weight, BMI, lean body mass and grip strength had a significant association with OSI in both males and females. In females, weight, habitual exercise during junior high school, current milk consumption, consumed dairy products during junior high school, habitual exercise for last one year had significant increasing effects on OSI in multiple regression analysis. On the other hand, in male, current milk consumption, grip strength, habitual exercise during junior high school had significant increasing effects on OSI in multiple regression analysis. The present finding suggest that OSI is significantly related to intake of calcium-rich foods such as milk and dairy products, and to habitual exercise since junior high school students. Furthermore, it is important to continue such lifestyle for acquisition of high peak bone mass.
- 2009-02-28
著者
関連論文
- 欧米の家庭科カリキュラムから学ぶ (日本家庭科教育学会平成12年度会研究報告会記録)
- 大学生における音響的骨評価値(OSI)と食習慣、運動習慣、体格および体力との関わり
- 高等学校家庭科教科書における調理実習内容の検討
- 厨房排水の汚濁削減方法の検討 : ごみ受け用水切りろ紙等の使用効果およびCOD簡易測定法について
- 高等学校「家庭一般」における家族の献立作成学習にコンピュータを導入することの有効性
- 献立作成学習を支援するコンピュータソフトの開発
- 栄養バランスの良い食事への理解を深めるコンピュータソフトの開発
- 「食生活とゴミ」の調査をとり入れた環境教育の試み
- 大学生の食生活と家庭廃棄物に関する調査研究
- 心拍数測定による日常生活の身体活動量推定法の検討
- 小学校高学年児童の身体特性及び踵骨骨量の年齢による推移 : 小学6年生から3年間の縦断的調査
- 516.スポーツ選手の適切な栄養補給の基礎体力に及ぼす影響(その1)栄養摂取状況と身体組成
- 活動強度の低い日常生活時のエネルギー消費量の推定方法
- 「五訂日本食品標準成分表」および「日本人の栄養所要量」第六次改定に伴う「六つの食品群別摂取量のめやす」の改訂
- 揚げ物を中心とした外食,持ち帰り弁当を含む大学生のモデル献立の脂肪酸,ビタミンE含量
- あげものを中心とした外食,持ち帰り弁当の脂肪酸,ビタミンE含量
- 市販マーガリン・ファットスプレッド類, マヨネーズ・ドレッシング類の脂肪酸組成およびビタミンE含量
- 健康のファラシー(22)食育と健康
- 六つの基礎食品群に対応した食品構成表の作成 : 中学校における「食物」指導のための試案
- 小学生の食生活及び食に関する意識・知識の発達的変容(第2報) : 変容パターンとその相互関連性
- 小学生の食生活及び食に関する意識・知識の発達的変容(第1報) : 4年生から6年生における発達的変容
- 中学校家庭科における「食事と健康」の学習 : 食生活を自己管理する力の育成をめざして
- 中学生における骨量と生活習慣および体力との関連
- 一人暮らしの食生活
- 環境と生活との関わりに関する高校生の意識の変容 : 家庭科の授業を通して
- 新しい「日本人の食事摂取基準(2005年版)」と「六つの食品群別摂取量のめやす」について
- 「私の環境家計簿」を活用した小学校家庭科における環境教育
- 中学校家庭科食物と栄養の学習における学習ツールとしての概念地図作りに関する研究
- 大学生における食の満足感に影響を及ぼす因子
- 小学校家庭科食物学習における概念地図法の有効性
- DHA等添加食品および市販水産加工品等の脂肪酸組成と食事のn-6/n-3 PUFA 改善効果について
- 〈講演〉栄養教育・食教育・食育
- 食の満足感構成要素の構造
- 家庭における家事活動のエネルギー消費量およびその簡易推定方法の検討
- 有機栽培ホウレンソウの品質に関する事例的研究 : 慣行農法によるものとの比較
- 成長期における骨量の年齢別推移および身体組成との関連
- 青年男女の身体組成,運動習慣,食習慣,睡眠習慣が踵骨骨量に及ぼす影響
- 高校生における骨量と食習慣及び運動習慣との関連
- 中国人留学生の骨量と生活習慣
- 小・中学生における成熟度, 身体活動及び牛乳・乳製品の摂取頻度と踵骨骨量との関連
- スポーツ選手の適切な栄養補給が栄養摂取量と健康状態に及ぼす影響
- 運動による発汗後の水分補給の実態と飲食指導
- 318.運動選手の食品構成と栄養素摂取量の検討
- 中学生の身体特性および踵骨骨量の1年間の変化