子育て支援「カルガモの会」の活動報告
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概要
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【はじめに】カルガモの会は、産後2年間の女性の心理社会的状態に関する縦断調査の協力者に対する子育て支援として2000年に立ち上げた。本報告は2005年3月から現在までに実施した計10回の主な内容と効果についてまとめた。【対象と方法】1回の参加者は乳幼児をもつ女性10~30名であった。会の内容は参加者のストレス緩和やリラクゼーションを目的に企画し、産後ヨガ・ティーセミナー・アロマセラピーなどを行った。その評価は、参加前後の感情を簡易的に把握するMCL-S1(10項目)、参加動機、感想等の自由記載欄からなる無記名自記式質問紙を用いた。【結果】延べ191名の女性が参加し183名より回答を得た(回収率は95.8%)。t検定の結果、MCL-S1の快情動とリラックス感の得点は参加前より参加後の方が有意に高かった(p<0.01)。また不安感の得点は参加後が有意に低い回が5回あった(p<0.05、p<0.01)。参加動機は会の内容への興味・気分転換・託児がある等であった。その他の感想では、気分転換できた、リラックスした、日常生活に取り入れたい等であった。これらの結果から本会は育児期の女性の心身のリラクゼーションに有効と考える。【おわりに】今後の課題の一つとして、参加者同士の交流を図るため、より主体的・能動的な内容を企画し、ピアグループとしての活動につながるよう方向付けを行いたいと考える。We instituted a childrearing support program that is called "KARUGAMO NO KAI" in the year 2000. Participants are women in the 2-year period after delivery. Herein we report the contents of this program that we conducted 10 times since 2005. The purposes of this paper are to introduce the KARUGAMO NO KAI, to explore the effects of this program on women and to make suggestions for the future. From 10 to 30 women participate with their children in one course of the program. We offered various courses; for example, maternity yoga, a tea seminar and aromatherapy, in order to reduce their stress and help participants relax. To evaluate the effects on women data were collected using self-administered questionnaires including the Mood Check List-Short Form 1 (MCL-S1) that they responded to before and after each course, reporting their motivation for participation and comments. A total of 191 women participated and 183 responses (95.8%) were received. The date were analyzed statistically (t-test). The MCL-S1 score for a comfortable and relaxed mood significantly increased (p<0.05) and the anxiety score was reduced significantly (p<0.01, p<0.05) after participation. Reasons for participation were interest, change of mood and the existence of a person to care for their children. They wrote they could improve their mood and relax, and wanted to do it every day. It is suggested that the contents of program should be more active to form peer groups in the future.
著者
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丸山 知子
天使大学看護栄養学部看護学科
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丸山 知子
札幌医科大学 保健医療
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丸山 知子
札幌医科大学看護学部
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丸山 知子
札幌医科大学保健医療学部
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吉田 安子
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科
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丸山 知子
札幌医大 保健医療 看護学科
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吉田 真奈美
札幌医科大学保健医療学部看護学科
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