ベッドサイドとアカデミズム : 看護教育の戦後史と大学化
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概要
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吉田正樹教授退任記念号論文戦後日本の学校教育が基本的には職業との結びつきを解体する方向に改革されたのに対し,看護教育は複数の学校教育課程が並存する女子職業教育としての性格を長期に渡って維持していた。しかし,看護界が実現を望んできた看護系大学の設立が急速に進展したことにより,1990年代以降の看護教育をめぐる状況は大きく変化しつつある。このような現状をふまえ,本稿では,看護教育の大学化をめぐる議論がどのように登場し,大学化に何が求められてきたのかを検討することにより,1960年代における研究・教育・職業の統合という理念の成立がその後の議論に強い影響を与えていることを明らかにした。また,この三者の統合という理念は既存の大学社会における規範と矛盾なく調和することがあらかじめ保証されているわけではなく,大学化の進展とともに新たな問題を引き起こす可能性が存在することを指摘した。
著者
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