文化的自己観と高齢化に対する態度
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概要
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相互独立性一相互協調性の年齢的変化を日本文化に於ける人格的発達と捉える観点(高田,2003)に立脚し、其れに加齢や長寿に対する態度が如何に関連しているかを検討することが本研究の目的である。青年中期から老人期に至る5つの年齢層の対象者に質問紙調査を実施し、相互独立性、相互協調性、自己評価、老人のイメージ、老人に対する態度、長寿に対する態度を類別変数とするクラスタ分析を、各年齢層毎に行った。其の結果、(1)高相互協調性、低相互独立性、低自己評価を伴う相互協調性優勢型1が全年齢層で、(2)高相互協調性、低相互独立性、高自己評価を伴う相互協調性優勢型2が青年前期・青年後期・若年成人層で、(3)低相互協調性、高相互独立性、高自己評価を伴う相互独立性優勢型1が全年齢層で、(4)低相互協調性、高相互独立性、中程度の自己評価を示す相互独立性優勢型2が青年期のみで、(5)高相互協調性、高相互独立性、高自己評価を伴う独立性・協調性拮抗型が若年成人期以降の年齢層で、夫々析出された。老人に対する態度は(1)では否定的、(2)(4)(5)では肯定的であり、(3)では年齢と共に否定的から肯定的に変化している。長寿に対する態度は、(1)では天命・長寿双方を志向する矛盾的態度、(4)(5)では長寿志向であり、(2)(3)は基本的に天命志向であるが老人期で此の類型に属する者のみは例外的に矛盾的であった。之等の結果に基づき、人格的発達の停滞と先取に関する仮説的モデルが提唱された。
- 奈良大学の論文
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