【研究報告】在宅における超重症児の子育て支援に関する訪問看護師の意識(第二報)
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概要
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本研究は超重症児の子育て支援のあり方を検討することを目的とし、第一報では養育者の意識に焦点をあてて行った調査研究を報告した。本稿では、その支援者である訪問看護師について在宅における超重症児の子育て支援に関する意識を調査し、回答の主に自由記載の部分を質的に分析して得られた結果を報告する。方法は郵送法を用いて、274名の訪問看護師に質問紙を配布し、協力が得られた114名を対象とした。その結果、訪問看護師は、《子どもの成長発達を促す支援・自律への支援》 《家族機能を調整する支援》 《兄弟児・健常児と同じように地域社会で生活できる支援》 《支援の質の向上に対する取り組み》を、在宅における超重症児の子育て支援として行いたいと考えていた。それらより、養育者が必要だと思う子育て支援のカテゴリーと訪問看護師がしていきたいと考える子育て支援のカテゴリーの内容はほぼ一致していた。しかし養育者が支援の質は低いと感じる背景には、訪問看護師が専門家同士の支援の隙間があることや支援者自身もどうすれば良いのか困難を抱えながら支援をしているといった状況があると考えられた。超重症児の子育て支援においては、専門家同士の支援の隙間を埋める取り組みや支援者のレベルアップのための取り組みが必要である。また、訪問看護師の回答の中で「介護」という言葉が多く見られ、超重症児の子育てにおいては、超重症児を取り巻く全ての人が介護ではなく、子育てという意識を高める必要がある。
- 日本赤十字広島看護大学の論文
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