前立腺癌診断における前立腺再生検の検討

概要

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9年間の初回前立腺生検症例242例について検討した。112例(47%)が癌陽性であり、130例(53%)が癌陰性であった。癌陰性例のうち35例で再生検を行い、17例(49%)が癌陽性であった。この17例に関して、生検回数別では2回目の生検で35例中15例の癌陽性であり、3回目の生検を行なった5例中2例で癌が検出された。癌陰性例ではPSA値が4.0～10.0が最も多かったが、癌陽性例ではPSA値4.0～10.0、10.0～20.0、20.0以上でほぼ同数であった。癌陽性部位は、30%がsextant regionのみで、35%がadditional regionのみで、35%は両部位から癌が検出された。再生検例の解析では年齢とPSA density(PSAD)に有意差を認め、癌陽性群は高齢でPSADが高値を示した。又、有意差は認めないが癌陽性群で採取core数が多く、T-PSAとPSAVが高値で、前立腺重量が小さく、F/T ratioが低い傾向を示した。統計学的に有意差があった年齢とPSAについて、感度を90%に設定したところ、cut-off値は65歳以上、PSADが0.2ng/ml/cc以上であり、その際の特異度は39、11%であった。
泌尿器科紀要刊行会の論文