配合飼料価格高騰下の酪農経営支援対策 : 推測的変動モデルによるシミュレーション分析
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概要
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Recently, affected by high international prices of grains, compound feed prices are rising in Japan. As a result, the business conditions of daily farmers are worsened. Japanese government has tries to support daily farmers by stabilizing the price of compound feeds, but the effect in not enough. The purpose of this paper is to simulate the effect of the subsidy for raw milk and to clarify the total cost and unit price of the subsidy. The conjectural variations model is applied for simulations. The main results are as follows. Two methods are effective to maintain dairy farmer's profit with the present level: 1) Method of subsidizing the entire raw milk. 2) Method of subsidizing only manufacturing milk. However, considering the policy cost, it is efficient to subsidize only manufacturing milk.本稿では,近年の配合飼料価格が高騰していることにより,酪農家,つまり生乳生産者の経営が厳しくなっていることを受け,生乳の市場分析を行うことにより,配合飼料価格の上昇による生乳生産量や生乳価格の変化が,ど の程度生乳生産者の利潤に影響を与えているかを分析した.そして,その結果を踏まえ,補てん金交付による生乳生産者に対する支援効果について4つのシナリオから分析した.その結果,まず,配合飼料価格が上昇すると,特に北海道において,生乳生産者の利潤が減少することが分かった.次に,補てん金交付を乳価に上乗せする形で支援を行うと,飲用乳向け生乳に対して補てん金を与えた場合は,補てん金単価を上げていくと,都府県の利潤を維持することはできるが,北海道の利潤は維持することはできないという結論が出た.加工原料乳向け生乳に補てん金を与えた場合と生乳全体に補てん金を与えた場合では,各生産地の利潤を維持する補てん金単価を求めることができた.その結果を比較すると,加工原料乳向け生乳に対して補てん金を与えた場合のほうが,生乳全体に対して補てん金を与える場合よりも,生産地の利潤を維持する目的を達成できるだけでなく,補てん金総額を少なく抑えることができることが分かった. 現在,配合飼料価格の上昇により酪農経営が圧迫されていることを受け,政府は緊急対策をとる方針でいる.政府としては,限りある予算を効率的に用いるために,闇雲に生乳全体に補てんを行うのではなく,加工原料乳に絞って補てん金を与えることが重要であると考えられる.
- 2008-10-29
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