クラスの目標構造が生徒の学習行動に及ぼす影響 ―生徒のコンピテンスの違いに着目して―
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概要
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本研究では,クラスの目標構造の認知が生徒の目標志向を媒介として学習行動に及ぼす影響について,学習コンピテンスの高低群別に検討した。その結果,クラスのパフォーマンス重視は,生徒のパフォーマンス志向を促進するが,パフォーマンス志向は,生徒のコンピテンスに関わらず,積極的な学習行動には影響しないことが示された。他方,クラスのマスタリー重視は,生徒のコンピテンスの高さに関わらず,生徒のマスタリー志向を媒介として積極的な学習行動を促進することが示された。またクラスのマスタリー重視には,生徒の目標志向を媒介しない効果も認められ,マスタリー重視の学習環境では生徒同士の協調的,協力的な学習活動が促進されることが示唆された。ただし,コンピテンスの低い生徒では,クラスのマスタリー重視はマスタリー志向だけでなく,パフォーマンス志向をも高める効果が認められ,彼らのパフォーマンス志向をいかに低減させるかが重要であることが示唆された。
- 愛知教育大学教育実践総合センターの論文
- 2008-02-29
著者
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