Penicillium sp.H48による細胞内チオ-ルプロテア-ゼ・インヒビタ-の生産と,インヒビタ-2,3の性質について
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概要
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1. 本研究に使用した耐酸性青かびH48は,その菌学的特徴から,Penicillium sartoryi Thom の1株と同定した。 2. 本菌株は,培養濾液中よりも菌糸体中に多量のチオールプロテアーゼ・インヒビターを含有していた。振盪培養よりも静置培養した菌体の方が含有量が高かった。 3. 無処理の菌体からインヒビターを抽出するには,50%メタノール中で50℃で摘出する方法が最も良かった。 4. インヒビターは2種存在し,共にチオールプロテアーゼを特異的に阻害する低分子物質であった。 5. その他の性質のちがいから,2種のインヒビターは既知のE-64とは異なる物質であろうと推定した。Penicillium sp. H48, which was identified as Penicillium sartory, produced more inhibitors could be extracted with a yield of 60% by incubating mycelia in a 50% methanol solution at 50℃ for one hour. The presence of two inhibitors, inhibitor I and inhibitor II, was revealed by Amberlite IRC-50 column chromatography. Like E-64, both inhibitors were stable against heat treatment(100℃ for 10 min), were permeable through collodion bag suggesting that they are of low-molecular weight, and inhibited papain and ficin but not pepsin, mold acid proteinase, trypsin, bacterial neutral proteinase, and bacterial alkaline proteinase. However, inhibitor I and inhibitor II behaved differently from E-64 in Sephadex G-15 gel filtration and in thin layer chromatography on silica gel, respectively.
- 三重大学農学部の論文
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