在宅要介護者の新たな排泄習慣の形成にかかわる看護援助
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概要
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本研究の目的は,訪問看護師が実践している在宅要介護者(以下本人とする)の新たな排泄習慣の形成にかかわる看護援助について明らかにし,在宅要介護者の排泄に関する看護援助のあり方について検討することである。訪問看護師による看護援助過程を対象とし,排泄に関する看護問題と実施した看護援助,援助による変化等について半構成的面接によりデータ収集を行い,記述した。その結果,以下のことが明らかになった。在宅要介護者の新たな排泄習慣の形成にかかわる看護援助は,(1)本人・家族が継続可能で健康的な排泄習慣の判断・提案,(2)従来の排泄習慣の尊重,(3)本人・家族による新たな排泄・生活習慣の習得の促進,(4)体調に応じた新たな直接的看護援助,(5)他機関・他職種との連携,(6)本人・家族の反応の把握であった。以上より,在宅要介護者の排泄に関する看護援助をする場合には,従来の排泄習慣を尊重しながら,本人・家族が継続可能で健康的な排泄習慣に変更していくことが重要であると考えられた。The purpose of this study was to identify the actions of visiting nurses to establish new excretion habits for the patients who require care at home. Structured interviews were conducted by visiting nurses and data were collected to understand the nursing problems related to excretion, the process of effective nursing, and the change in patients. Nursing actions to establish new excretion habits by patients who require care with excretion at home involved the following: 1) judging and suggesting healthy excretion habits that are right and sustainable for the present condition of the patients and their families; 2) giving due consideration to current excretory habits; 3) encouraging the patients and their families to learn new excretion and life habits; 4) offering nursing assistance to the patients to adapt to new excretion habits; 5) working in cooperation with other agencies and care providers, and 6) comprehending the reaction of the patients and their families. In establishing new excretion habits for a patient who is cared for at home, it is necessary to establish healthy and sustainable excretory habits that suit the conditions of the patient and his family, while giving due consideration to established practice. Thus excretory functions will be achieved in a manner that is acceptable to both patient and family.
- 千葉看護学会の論文
- 2006-12-30
著者
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