1984年長野県西部地震の断層モデル : 三角点測量データの解析
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概要
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三角点網の辺長距離の変化から,1984年長野県西部地震(M6.8)の断層モデルを作成した.用いたのは8点からなる三角点網の観測データで,ここでは1978年と1984年(11月)に改測か行なわれている.四角い形の断層上で一様なすべりが生じたものと仮定すれば,断層の走向N70°E,傾き74°N,スリップ角24°(正断層成分を含む右横ずれ),長さ14km,幅2 km,上端の深さ0.5km,くいちがい1.6mという値がそれぞれ得られた.辺長歪みの変化から求めた断層モデルも,長さが少し短い(11km)のを除けば,ほぼ同様の結果を与える.これらは地震観測その他のデータとも概ね調和する.ただし余震域の広がりと比べ,断層の幅は短かすぎる.これは,くいちがいが浅い所に集中していることを示すのかもれない.今回の解析に用いた三角点網は,震央域の一部をおおっているにすぎず,観測点網のみかけの回転や平行移動を無視できない.ここでは辺長距離や辺長歪みのデータから断層パラメータを解析したが,観測点網の回転や平行移動とは無関係に議論できるという点で,有意義な方法である.
- 1985-11-08
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