大分大学医学部(大分県由布市挟間町)における秋期スギ花粉飛散状況の検討

概要

論文の詳細を見る
【背景・目的】秋にスギ花粉症患者が鼻症状を呈して受診することがあるといわれており,秋期スギ花粉飛散状況について検討した.【方法】スギ花粉飛散数は大分大学医学部研究棟屋上(地上高30m)に設置したダーラム型捕集器を使用して,平成15年から24年, 10月1日より12月31日まで測定した.【結果】秋期総飛散数は5.4から52.2個/cm^2(平均値18.5,中央値14.6),最大飛散数は0.6から9.6個/cm^2,飛散がみられた日数は14日から46日であった.翌年の総飛散数との有意な相関はみられなかったが, 7月の気象データとの相関はみられた.ロジスティック回帰分析では秋期スギ花粉飛散は11月, 12月, 10月の順に多く,気温が高く,乾燥し,風のある日に多い傾向があった.【結語】我々の施設でも秋期に少数ながらスギ花粉の飛散がみられることが確認され,夏期に形成された花芽の一部が分化して飛散するものと考えられた.しかし,飛散数は少数であり,秋に鼻症状を示すかは慎重に判断する必要があると考えられた.
一般社団法人日本アレルギー学会の論文
2014-08-01