素性構造に基づいたアクセス制御モデルの提案
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概要
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近年の情報システムの複雑化やネットワーク接続の常態化にともない,アクセス制御の必要性と複雑性も増大している.アクセス制御は,情報やコンテンツなどのオブジェクトの利用を許諾あるいは拒否する仕組みであり,諾否の基準がアクセス制御ポリシとして設定される.アクセス制御ポリシの記法は,個々のシステムや言語に特化しており,管理者はそれぞれの記法に習熟していないと,設定ミスによる情報漏洩や不正行為を引き起こす可能性がある.また,アクセス制御の結果は,従来は許諾/拒否の二値を返すものとして定義されてきたが,アクセス要求の特定の部分に限定して許諾する,というような諾否判定結果の多様性に対する需要が高まりつつある.そこで本論文では,自然言語処理の構文解析の分野で長く使われてきた素性構造を用い,記述性に優れたアクセス制御ポリシの記法を持つモデルを提案する.本提案モデルでは,アクセスの諾否判定プロセスは素性構造の単一化の操作によって実現され,許諾/拒否の二値だけでなく一部許諾も返すことができる.また,提案手法をP3Pによるアクセスの諾否判定に適用した例を示すことで,本提案モデルの有効性を示す.
- 2014-09-15
著者
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藤田 邦彦
日本電信電話株式会社nttコミュニケーション科学基礎研究所
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塚田 恭章
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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塚田 恭章
日本電信電話(株)nttコミュニケーション科学基礎研究所
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