「まちづくり」に関するボランティア理論 : 人間性豊かな「まち」を目指して
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概要
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ボランタリズムには2種類あり、一つは、「互恵的利他心」と呼ぶべきものであり、もう一つは、それを超える「捨身の利他心」とでも呼ぶべきものである。前者は、進化生物学で説明可能で、互酬性が働く限り万人共通のものである。しかし、後者は、自分を犠牲にして他者の命を助けるという個体の生存に不利な動機を生み出すので共通遺伝子にはなりえないものであろう。すなわち、後者は、文化的無意識に属するものであると考えられる。いずれのボランタリズムも、利己的な人間の内奥に秘められているはずのものである。「まちづくり」において、そんなボランタリズムに期待しなければならないとすれば、遺伝子の豊かさ、あるいは、文化的規範意識を湧出させることのできる、慈恵的環境を創り出さなければならない。そのためには、まちづくりの阻害要因となる認識不足、無関心、想像力の欠如、利己心、閉鎖的ライフスタイル、人間軽視の価値観・人間観・生命観の変革を迫る内的発見(自己開発)の仕掛けを創り出さなければならない。地域課題を学習する「まちの学校」、街角の「共生体験」、学校の「関わり授業」、NPO現場での「顔の体験」、参加型学習の「ワークショップ」、生涯学習の「自己実現学習」などの「人づくり」が「まちづくり」に結びつくはずである。
- 2014-02-25
著者
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