子ども理解のあり方と新しい道徳教育について
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概要
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今日の道徳教育をめぐる言説は、いじめ問題に端を発した形で「道徳教育の教科化」を中心として進められている。戦後の道徳教育が全面主義と特設道徳との二重構造になっていたものを、ここで根本から変革する動きである。現状の道徳教育では学校や教師によって指導の充実度に差があることから、新たな枠組みによって教科化しようとしている。教科化によって教科書ができることで教材や指導法の研究も進む。教師の意識を変える効果も期待されている。しかし今日の道徳教育で問題なのは、いじめ問題で明らかなように、子どもの問題と同時に教師の資質の低下の問題であるともいえる。そのような教師が子どもの「道徳的なもの」を評価するのにこたえられるか。皮相的な見方による評価がなされるとも限らない。じっくりと一つ一つの問いを追い詰めながら答えが出ずとも常にその問いを突き詰める姿。そのような思索の中にこそ豊かな視野が開かれ、深い子どもへの洞察が芽生えてくるであろう。そのような思索のできる教師によって推進される道徳教育は深みのあるものとして子どもの前に立ち現われてくるに違いない。そのためにはやはり教師が子どもをどう見るのかという子ども観の深化が求められる。
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