クラスタ制御とスイッチングによる分散ストレージ複製時間短縮(奨励講演,管理機能,理論・運用方法論,及び一般)

概要

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分散ストレージは,クラウドサービス事業者のみならず,一般企業においてもディザスタリカバリへの適用が検討され始めている.しかし,分散ストレージはファイルというコンテンツ実体を扱うため,ネットワークに流通するデータサイズが大きく,地理的に分散したすべてのクラスタへ複製をコミットするには,回線帯域に比例した時間を必要とする.災害時の複製遅延によるデータ損失を最小限に抑えるには,回線の広帯域化,および複回線化が必要であるが,帯域保証型のブロードバンド回線は距離が長いほど接続コストが高く,災害対策として維持するのが容易ではない.一方で,近年はNGN経由のインターネットプロバイダによるベストエフォート型のブロードバンド接続がリーズナブルに提供されてきており,災害対策への適用が期待できるが回線品質が一定ではない.本稿では,ベストエフォート区間を含む複数のブロードバンド回線をマルチホーミングするにあたり,回線間スループットを考慮したプログラミング制御スイッチと,クラスタインテリジェンスを組み合わせた動的スイッチング基盤を検討し,分散ストレージシステム特性に合わせた回線分配最適化による複製時間短縮を試みる.
2013-07-04