特別支援対象児が在籍するクラスがインクルーシブになる過程 : 排除する子どもと集団の変容に着目して(第1部<特集論文>保育と特別支援)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,年長クラスの特別支援対象児が友達から排除された初期の状態から,インクルージブな状態になるまでの,友達関係と他の子どもの変容,それを促した保育者の取り組みを描いた事例研究である。4月当初,リーダー的な男児を中心とした小集団が固定的関係をつくり支援児を排除していた。担任は,多様な活動を提供して友達関係に揺さぶりをかけた。その結果,活動を媒介とした新たな友達関係が生じて,しだいに支援児と友達とのかかわりが生まれ,クラス自体がインクルーシブになった。従来,統合保育の実践研究では,支援児への個的支援と,集団に適応する過程を描くことが多かったが,本研究は,周囲の友達の変容に注目して詳細に描いた点に意義がある。
- 2013-12-25
著者
-
浜谷 直人
首都大学東京
-
芦澤 清音
首都大学東京:(現)帝京大学文学部
-
五十嵐 元子
白梅学園大学
-
浜谷 直人
首都大学東京臨床発達学
-
芦澤 清音
帝京大学保育臨床
-
五十嵐 元子
白梅学園大学発達臨床心理学
関連論文
- 指定討論 : 通常学級において,インクルージョンが実現されるために(通常学級における特別支援教育-集団の中での子どもの育ちを考える-,研究委員会企画シンポジウム,I 日本教育心理学会第51回総会概要)
- 通常学級における特別支援教育 : 集団の中での子どもの育ちを考える(研究委員会企画シンポジウム3)
- 巡回相談によって保育・教育の場(園・学校)のインクルージョンを実現する連携 (特集 発達の早期支援に向けて) -- (連携による早期支援の実践)
- 障害のある子どもの内面世界の育ちを支える支援(準備委員会企画シンポジウム3,日本特殊教育学会第46回大会シンポジウム報告)
- 幼稚園への巡回相談による支援の機能と構造 : X市における発達臨床コンサルテーションの分析
- 小学校通常学級における巡回相談による軽度発達障害児等の教育実践への支援モデル(IX 優秀論文賞を受賞して(2006年度))
- 障害児等のインクルージョン保育を支援する巡回相談(保育・教育における「支援」とは何か)
- PG77 発達臨床的なコンサルテーションの有効性
- PA90 統合保育における研修的コンサルテーション (1) : 実践報告を学ぶ意義と発達相談員の役割
- 小学校通常学級における巡回相談による軽度発達障害児等の教育実践への支援モデル(実践研究)
- 中学校障害児学級への発達臨床コンサルテーションによる支援
- どのように子どもの心の時間は分節化されるのか : 自閉症児者の時間の区切りの難しさ(時間論の視点から発達の問題を再考する)
- 通常学級における特別支援教育 : —集団の中での子どもの育ちを考える—
- 特別支援教育における心理学の専門性と教育実践の関係 : その危機に関する考察(実践に「役立つ」心理学の専門性)
- 研究委員会企画シンポジウム 教育心理学研究に求められる質の高い研究論文とは何か : 『教育心理学研究』の現状と課題について (日本教育心理学会第53回総会)
- P5-69 学生のメンタルヘルスに関する研究 : 教員の意識と対応について(発達,その他,ポスター発表)
- 教育心理学研究に求められる質の高い研究論文とは何か : 『教育心理学研究』の現状と課題について(研究委員会企画シンポジウム3)
- 特別支援対象児が在籍するクラスがインクルーシブになる過程 : 排除する子どもと集団の変容に着目して(第1部保育と特別支援)
- JD07 保育・教育における実践者の言葉がけをとらえる : 実践者の言葉がけの背景にあるもの(自主企画シンポジウム)