頚椎間歇牽引が頚部筋の筋硬度に与える影響 : 筋硬度計および超音波診断装置を用いた評価
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概要
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頚部,肩周囲の痛みやこわばりを症状とする疾患に処方される物理療法のひとつとして頚椎間歇牽引がある.痛みやしびれといった症状は客観的な程度の判定が難しく,そのため治療効果判定は自覚 症状に頼らなければいけない.今回は,運動器疾患の診断,評価に対して,最近よく用いられるよう になってきた超音波診断装置を用い,頚部筋の筋厚の変化を測定することで頸椎牽引の影響を評価し た.対象者は,頚椎に整形外科的疾患を持たず,頚椎牽引などの治療を受けていない成人男性10名と した.対象者に5kgと10kgの牽引量にて頸椎間歇牽引を行い,その前後の頚部筋の筋硬度を評価する ために,筋硬度計,および超音波診断装置による筋厚の変化率を計測した.その結果,筋硬度計によ る筋硬度は5kg,10kg とも牽引前後で有意差を認めなかった.筋厚の変化率に関しては,僧帽筋では5kg,10kgとも牽引前後で有意差を認めなかった.頭板状筋では5kgで有意な増加を認め,10kgでは有 意差を認めなかった.今回の結果より,5kgの牽引力で頭板状筋に筋厚の変化率の増加を認め,頭部 の重さを支える程度の牽引でも,健常人の頚部筋には効果があると考えられた.また,今回の超音波 診断装置を用いた筋厚による評価は,頚椎牽引療法の効果判定の指標になり得ると考える.
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