ピアノアクション機構のモデル化に関する検討

概要

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ピアノアクションは,ピアニストとピアノとの接点に位置する重要な部品である.ピアニストの指の動きはキーを通してピアノアクションに伝達され,ハンマーによる打弦を引き起こす.ピアノの音が継続するためには,ハンマーは弦から速やかに離脱する必要がある.ピアニストのキーを押し下げる一方向の動きに対して,ハンマーは弦に向かう方向と離れる方向の動きをする必要があるため,ピアノアクションにはキーの動きとハンマーの動きを切り離す機構を備えている.また,ピアニストによる連打を可能とするだけでなく,引き心地を調整するための調整機構を備えるなど,ピアノアクション機構はかなり複雑である.また,ハンマーヘッドに用いられているフェルトの力学的特性やハンマーと弦との衝突現象の取り扱いなど,ピアノの物理音源モデルを構築する上での最重要課題の1つである.本報告では,ハンマーフェルトの運動に関する実験結果と有限要素法による数値シミュレーションの結果を報告する.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2012-07-12