読みに困難を示す生徒の読みの速さ・正確性とRAN (Rapid Automatized Naming)コンポーネント
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、RAN課題(イラスト)、単語速読課題(無意味語、有意味語)、音読流暢性課題を実施した。実験1では統制群においてRAN課題、単語速読課題の発話時間と休止時間が音読流暢性課題の速さと正確さとどのように関連するかについて検討した。実験2では日本語の読みに困難を示す子どもが、RAN課題、単語速読課題の発話時間、休止時間のどちらに困難を示すかについて検討した。対象者は、読みに問題のない中学1〜3年生の生徒32名(統制群)と読みに困難を示す中学1、3年生の生徒6名であった。実験1の結果、単語速読課題(無意味語)の発話時間、休止時間、単語速読課題(有意味語)の発話時間と、音読流暢性課題の速さとの間に相関が認められた。実験2の結果、読みに困難を示す全ての生徒において、単語速読課題(無意味語)の休止時間が統制群の平均休止時間より顕著に遅かった。発話時間は、遅れのみられる生徒とみられない生徒がいた。
- 障害科学学会の論文
- 2010-03-25
著者
-
前川 久男
筑波大学大学院人間総合科学研究科
-
前川 久男
Graduate School Of Comprehensive Human Sciences University Of Tsukuba
-
野内 友規
Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
-
野内 友規
筑波大学大学院人間総合科学研究科
-
熊谷 枝里子
茨城県立伊奈養護学校
関連論文
- 読みに困難を示す生徒の読みの速さ・正確性とRAN(Rapid Automatized Naming)コンポーネント
- 知能とアセスメントに関する最近の研究状況と今後の課題
- 事例研究のあり方をめぐって(学会企画シンポジウム2,日本特殊教育学会第37回大会シンポジウム報告,実践研究特集号)
- 算数困難児における数処理の自動化に関する研究 : 数ストループ課題における干渉効果を指標とした検討
- 副島和穂先生のご逝去を悼んで(1)(副島和穂先生のご逝去を悼む)
- 大山信郎先生のご逝去を悼む(大山信郎先生のご逝去を悼む)
- 注意欠陥多動性障害児および広汎性発達障害児を対象としたStop-signal課題における反応抑制の検討
- stop-signal課題の遅延時間が注意欠陥多動性障害児の抑制制御に及ぼす影響
- PASS読み促進プログラム(PREP)を用いた読み困難児の読み支援
- Go/No-Go課題における刺激間間隔およびtarget刺激呈示確率の交互作用に関する健常児童の発達的研究 : 注意欠陥/多動性障害児および学習障害児のための基礎的研究として
- 注意欠陥/多動性障害児における行動抑制の検討 : 停止信号の呈示タイミングを変えた Stop-signal 課題を用いた遂行成績より
- 読みに困難を示す中学校生徒のワーキングメモリー : n-back taskの結果から
- 特別支援学級でのモバイル端末を教具活用した学習の検討 : 知的障害生徒のタブレット型コンピューター操作時の教示刺激と学習効果
- 児童の学業適応感が学校生活適応感へ及ぼす影響の検討 : 重回帰分析による再検討
- 読みに困難を示す生徒の読みの速さ・正確性とRAN (Rapid Automatized Naming)コンポーネント