ストレス事態に対する音楽と映像のリラクセーション効果
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概要
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リラクセーション法の中でも比較的容易に用いられる方法として、音楽鑑賞があるが、近年の情報機器の発達により、音楽が伴う映像コンテンツが自律神経系に与える影響について報告する研究もみられるようになった。しかしながら、映像と音楽を同時にリラクセーション刺激として使用した研究は数少ない。また、近年ストレス状況下でポジティブ感情を経験すると心身の回復が生じるという"Undoing"の概念がポジティブ心理学の文脈の中で用いられるようになった。そこで、本研究では、映像と音楽のリラクセーション効果とともに先行するストレス事態に対して心身に対する"Undoing"効果についても、生理指標として血圧、心拍数、皮膚電気反応の変化を、心理指標ではPOMS短縮版を用いて検討することをも目的とした。その結果から、生理指標の一部ではあるが、リラクセーション音楽映像におけるリラクセーション効果が示唆された。しかしながら、ストレス期においてSBPとHRが減少したことから能動的対処事態は生じておらず、DBPについてもストレス期より減少したことから、受動的対処事態も生じなかったと考えられる。よって、演算課題がストレス負荷を与えるのに不十分であった可能性も考えられ、"Undoing"効果については明確な結果が得られなかった。今後は、ストレス事態の適切性をはかり、より詳細な検討が必要であろう。
- 2009-03-01
著者
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