電子マネーの普及要因と普及促進策-関東地方7地域における消費者調査に基づいて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本国内において電子マネーは日常生活に浸透してきている.しかし,国内でも地域により普及率は大きく異なる.そこで本研究は,電子マネーの普及要因を明らかにし,普及促進策を示すことを目的とする.従来,電子マネーが利用されている複数の地域における消費者調査およびそれに基づく普及要因の分析はほとんど行われていない.そこで本研究では普及要因を抽出しやすくするため,ほぼ同種類の電子マネーが利用されているが普及率が異なる関東地方の7地域を選定した.そして,消費者に電子マネーに対する意識や要望,利用しない理由などをアンケート調査した.次に,消費者の電子マネーに対する意識を因子分析したところ,機会不足・不便,交通機関利便性,買い物利便性,不要,不安感の5因子が抽出された.さらに,電子マネー普及に関する8つの仮説を提起し,検証した.その結果,消費者に交通機関利便性が高いと認識されている地域ほど交通系電子マネー所有率が高いこと,消費者の電子マネーに対する不安感が少ない地域ほど電子マネー所有率が高いこと,所有率が低い地域では電子マネーの利用機会や交通機関利便性に対する消費者の評価が低いことなどが判明した.仮説検証結果を受けて,電子マネーに対する不安感の緩和や電子マネーの利用機会拡大,利便性向上などに向けて具体的な普及促進策を,仮説検証結果に対応した項目に分けて整理し,提案した.
- 2013-05-15
著者
関連論文
- 緑茶とツーリズムの融合による茶産地のイノベーション (特集 ソーシャル・イノベーション)
- ソーシャル・キャピタルがインショッピングに与える影響に関する検討--商店街活性化の方向性と地域イノベーション
- 農産物の産直を志向する消費者の特性--農産物生産者のダイレクト・マーケティングへの示唆
- 消費者のインショッピングの規定要因 : 東京都の消費者データを用いた実証研究
- ネット購買への抵抗感にもとづく商品類型化とマーケティング戦略
- ミネラルウォーター消費の促進要因に関する実証分析 -ミネラルウォーターのマーケティングへの示唆-
- 経営情報学部教育プログラムにおける情報・コンピュータ教育の役割
- 新しい経営資源マネジメント(5)マーケティング・コミュニケーションにおける「人間資源」--スモールビジネスの人的コミュニケーション重視型マーケティング
- 茶小売業の好業績モデルの実証的構築
- 非接触ICカード型電子マネーに対する消費者の意識と普及の課題--利用者と非利用者,交通系と流通系,地域による意識の差異と利用意向の分析
- 一店逸品を活用した小売マーケティングと商店街活性化 (特集 中小零細業者の団結で共同受注・共同開発)
- 今月の視点 中小小売業の顧客維持活動の効果
- 消費者買物行動における地元回帰の動き (特集1:都市づくりを揺るがす消費)
- 小売環境の変化と小さな店のマーケティング (特集2 少子高齢化時代を担う商店街の課題)
- 顧客維持活動がストア・ロイヤルティにもたらす効果 : 店舗規模を考慮したコンティンジェンシー・アプローチ
- 今月の視点 くちコミと中小小売業
- 経済レポート 二一世紀の中小小売業:小規模メリットを生かし競争優位の創造を
- 電子マネーの地域への普及要因と普及促進策--利用者・非利用者の意識に基づく地域別分析と提案
- ネット購買における消費者意識にもとづく商品類型化
- 電子マネーの普及要因と普及促進策-関東地方7地域における消費者調査に基づいて
- RN-003 電子マネー利用意向の規定要因および規定要因間の関係の実証研究(N分野:教育・人文科学,査読付き論文)