標準作業方法の不遵守に起因する与薬事故の分析・対策立案方法に関する研究
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概要
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医療事故に占める与薬事故の割合は,いずれの病院でも高い.そのため,医療の質保証において,与薬事故の低減は重要な課題の一つとなっている.与薬事故は,標準作業方法(以下,標準)が決められている場合には,それを遵守したにもかかわらず発生する場合と,標準を遵守しない(以下,不遵守)ため発生する場合に分けられる.従来,不遵守の対策としては,教育・訓練による動機付けが中心に行われてきた.しかし,それだけでは不十分であり,遵守しやすい標準へ改善することも必要である.そのためには,なぜ標準を遵守しないかというメカニズムを把握する必要があるが,その研究は十分行われてこなかった.そこで,本研究では,与薬業務中に不遵守があった事故(以下,不遵守事故)を対象に,不遵守事故の発生メカニズム(以下,不遵守メカニズム)を明確にし,それにもとづく対策立案法を提案した.また,不遵守メカニズムを解明しやすくするため,不遵守事故事例をもとに,不遵守メカニズムの構成要素である行動誘発要因,不遵守行動特性,事故誘発要因を網羅的に抽出した.さらに,提案法を手法開発病院以外の病院に適用し,不遵守メカニズムの一般性と行動誘発要因・不遵守行動特性・事故誘発要因の網羅性,対策立案法の有効性の検証を行った.
- 2013-01-15
著者
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佐野 雅隆
早稲田大学大学院創造工学研究科経営システム工学専攻
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金子 雅明
早稲田大学大学院創造工学研究科経営システム工学専攻
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金子 雅明
青山学院大学理工学部
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棟近 雅彦
早稲田大学
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金 海哲
早稲田大学創造理工学研究科
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金子 雅明
青山学院大学 理工学部経営システム工学科
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金 海哲
早稲田大学大学院創造理工学研究科経営システム工学専攻
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金子 雅明
青山学院大学
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佐野 雅隆
早稲田大学大学院創造理工学研究科経営システム工学専攻
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