健康政策の推進・評価における国民健康・栄養調査-長期モニタリングとしての役割と歴史-
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概要
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国民健康・栄養調査は,2003年より健康増進法に基づき毎年実施され,健康日本21の推進・評価の基盤的な役割を果たしている.それ以前は,栄養改善法(1952年)に基づき,長年にわたり実施されていた.さらに,国民栄養調査の起源は,「終戦後緊急食糧対策の基礎資料」を得るために,全国9都市及び29都道府県の農村などで実施された栄養調査(1946年)に遡る.健康政策上必要な調査には,具体的な政策のマネジメントサイクルの要素として実施されるものと,個別的な政策とは結びつかないものの,把握しておくべき情報を収集・分析し,潜在的な危機や変化などを察知するためのものがある.健康増進法の施行以降,国民健康・栄養調査は,健康日本21との関わりの中で前者の役割が色濃くなってきたが,1946年以降のデータ蓄積を考えると,後者の役割も重要である.いずれにしても,長期にわたる経年的な推移を示すモニタリング調査として,機能を果たすことが基本となる.長年の歴史の中では,度重なる調査方法や項目の変更があった.それぞれの時代のニーズや,基盤となるデータベース(例:食品成分表)の改訂,技術的な進歩などにより,変更が必要である一方,データの連続性を損なう大きな原因となっている.例えば,エネルギーや主な栄養素,並びに食品群別摂取量の国民平均値は,1946年から毎年のデータが報告されているが,それらの推移を検討する際には様々な点に留意する必要がある.そのような目的から,本稿では国民栄養調査に関わる過去からの報告書などを基に,その歴史的変遷を整理し,データ活用における具体的な留意点を解説した.
- 2012-10-00
著者
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