日英のターン交替と相づち使用の実相 : 日本人学生とニュージーランド学生の比較を通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は,日本語と英語会話の相づちの出現頻度及び出現実態をターン交替との関わりで調べ,両言語における相づち行動の共通点と相違点を明らかにするものである.資料には日本語母語話者,及びニュージーランド(以下NZ)英語母語話者による2人1組のロールプレイ会話が使用された.先行研究に違わず,日本資料でより多くの相づちが観察された.これらは,移行適切場に現れる会話参与者間の相づちの応酬と,移行適切場ではないターン途中での合の手的相づちの2つに分けられた.前者は日本語のターン取得の先延ばし傾向を示すものである.これらの相づちはNZ資料ではほとんど見られず,この相違が最終的に日本資料での相づちの高頻度を形成すると結論付けられた.これらを除くと,相づち反びターン交替の実態は両資料でほぼ同じであった.すなわち,同じような頻度でターンが交替され,かつターン冒頭では相づちが同程度の頻度で用いられることが分かった.
- 2005-03-30
著者
関連論文
- 方言とコードスイッチング(1) : 時間による推移を中心に
- 関連性理論から読み直すデイビッドソンの隠喩論
- 女男を表す他称について
- 相づち使用と対人関係
- 終助詞「よ/ね」の機能再考 : 文脈指定機能を中心に
- 日本語教科書に見られる自称詞・対称詞の使用について
- 日本人学生と外国人留学生における合意形成過程の比較
- ターン譲渡の方略としての「繰り返し」と「問い」
- 日本人の言語行動 : 談話展開のためのストラテジー
- 自由談話に見られるスピーチレベルシフト現象
- 談話分析から見た異文化間コミュニケーション -日本人の言語行動を中心に-
- 日本語による会話終了のメカニズム解明のための予備的考察
- 関連性理論から見た終助詞「よ」「ね」の機能
- 談話分析 雑談はいかに構成されるか
- 決意表明とは何か : 学校内の言語行動
- 日本語教師のカルチャー・ステレオタイプに対する意識について : アンケート調査の結果から
- 異文化間コミュニケーションの問題解決場面に見られる日本人学生の自文化認識
- 詫びの手紙文における情報の展開構造 : 中級日本語学習者と日本語母語話者の対照分析
- 行為としての「うそ」 -話し手の動機という観点からの考察-
- 日英のターン交替と相づち使用の実相 : 日本人学生とニュージーランド学生の比較を通して