レセプト情報・特定健診等情報データベースの概要と活用の方向性-滋賀県特定健診データ分析事例から-

概要

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「高齢者の医療の確保に関する法律」の施行により医療費適正化計画を作成することとされ,これと併せ厚生労働省が全国から収集されたレセプト情報および特定健診等情報について調査及び分析を行うことが定められた.この「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(以下NDB)は,公益性の高い研究のためであれば個別審査を経た上で国以外の主体にデータを提供することとなった.レセプト情報は審査支払機関における一次審査分データを匿名は処理したものを国が収集,また,特定健診等情報は各保険者が所定の匿名化処理が行ったものを社会保険審査支払基金が収集し,国の保有するサーバに格納したものである.NDBデータ提供は「レセプト情報・特定健診等情報データベースの提供に関するガイドライン」に基づき,有識者会議の審査を経て実施される.データは個人情報に準じた取り扱いが行われ,「疫学研究に関する倫理指針」の遵守が必要である.成果物の公表にあたっては,特定個人・特定医療機関等の第三者によって識別される可能性をなくすため,いくつかの措置を講ずることが求められている.また,探索的研究にも道を開く匿名性が高く操作性に優れた基本データセットとして「サンプリングデータセット」も準備されている.著者らは特定健診データの模擬的データ分析のため,滋賀県特定健診データの提供を受けたが,提供データの形式変換作業およびデータクリーニングが必要であった.しかしながら,これまでにない地域住民全体の悉皆的な健康状態の把握と分析が,NDBを用いて初めて可能となった.本データベースが公益性の高い研究に広く活用されることより,国民の健康保持,疾病予防,疾病モニタリング,医療評価等,広い範囲で役立つものと期待される.
2013-02-00

レセプト情報・特定健診等情報データベースの概要と活用の方向性-滋賀県特定健診データ分析事例から-

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