不飽和透水係数の予測モデル中の屈曲度パラメータの評価 : 対数正規分布を用いたモデルの事例

概要

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飽和・不飽和浸透理論に基づく数値解析に必要な不飽和透水係数は孔隙径分布と組み合わされた透水係数モデルから予測されることが多い。透水係数モデルに含まれる屈曲度パラメータは,Mualem(1976)の提示した定数値(0.5)がよく使用されてきたが,森林土壌に関しての妥当性は十分検証されていない。そこで花崗岩類,中古生層,第四紀層を母材とする森林土壌から非攬乱試料を採取して,屈曲度パラメータを変数として評価した。屈曲度パラメータは保水性パラメータを最適化した後,Kosugi(1996)の開発した,孔隙径分布に対数正規分布を応用した透水係数モデル(M-LNモデル)を用いて評価された。森林土壌の屈曲度パラメータは0.5より小さいものが多く,-7〜10の範囲にわたって変動していた。そのため,0.5を用いて予測する場合,過小評価の傾向があることが示された。屈曲度パラメータを本研究で示したような適当な値(-0.72)に修正すると,過小評価の傾向は改善され,誤差は減少した。従って,森林土壌の不飽和透水係数をM-LNモデルによって予測する時,屈曲度パラメータは適切な値に修正されるべきと考えられた。
応用森林学会の論文
2001-03-20