流域管理システムと国有林の「施業モデル林」に関する研究
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概要
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本研究では,我が国林業政策の柱である流域管理システムの木材生産機能がいかに発揮されているかに注目し,民間と国有林が一体となった取組みとして高知営林局の打ち出した「施業モデル林」事業に対する分析を行なった。同事業は,育成途上の大型施業団地を対象に従来の国有林の単年度ごとの予約販売から一歩踏み込んだ長期間の予約販売契約を森林組合を中心とした地元事業体と結ぶというものである。また,事業主体の作業道開設には高知県より補助金が支出されるなど,国・県.事業体の三位一体の展開となっている。本研究では,その展開構造に着目し,単位森林組合受注型と高知県森連受注型に分類し,それぞれの実態分析によりその特徴と意義付けを行なった。単組型を含めた一般的な特徴として(1)事業量の長期計画化,雇用の恒常化が可能となり,(2)施業ロットの大型化による高性能機械化と生産コストの軽減が期待されている.(3)特に高知県森連型としては,県森連から高性能機械のリース,さらには隣接の市町村に所在する同対象林への相互乗り入れが可能となり,(4)県森連においては自らの主催する共販所の運営を安定的なものとしていることが明らかとなった。
- 応用森林学会の論文
- 1997-03-25
著者
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