ヒノキ市場と産地構造の再編に関する研究
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概要
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わが国木材市場において,国産材ではスギ材が外材との競合で後退を余儀なくされたのに対して,ヒノキはその木材商品としての物的特性と需要の高度化の中で,独自の市場性と価格形成力を維持してきた。その結果,外材支配が強まる中でも,高級ヒノキ材を軸に全国的に産地化が進められてきた。多くのヒノキ産地は国有林の高齢級資源に依存しつつ,高級材産地を形成してきたが,近年ヒノキ製品をめぐる需給構造の変化と資源の枯渇化の中でこれらの産地は縮小再編を余儀なくされている。とりわけ住宅の洋間化と進むエンジニアリングウッド化は意匠材としてのヒノキ需要を低迷させ,高齢級の優良資源の枯渇化は原料面からヒノキ産地に大きな問題を投げかけている。一方で戦後造林のヒノキ資源は徐々に成熟しつつあり,これへの新たな対応が求められている。本研究は需給構造の変化とヒノキ資源の転換の中での,産地の変貌と再編構造を明らかにしたものである。分析対象地域は四国西南地域で,危機に直面する高級ヒノキ産地の高知県幡多地域と量産型ヒノキ産地への転換を進める愛媛県八幡浜産地を対象にヒノキ産地の二極分化への再編の実態を分析した。
- 林業経済学会の論文
- 1999-03-20
著者
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