バングラデシュにおける紙・パルプ産業に関する研究(自由論題論文,1994年秋季大会)
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概要
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バングラデシュの木材関連産業の中で企業体として最大であり,近年の紙需要の増大により重要性を増している紙・パルプ産業は,歴史的に国営企業を軸として展開してきた。近年開放政策の中で私営企業が増加しているがその原料基盤は輸入パルプであり,国内原料基盤の充実が求められている。また,国営企業の原料調達は地域的特性を持っており,原料の種類も木材,竹材,マングローブ,バガス,ジュートと多様である。中でも竹材の重要性は高い。竹材や木材の調達において,国有林ではコントラクターと呼ばれる素材生産業者が,民有林ではサプライヤーとよばれる流通業者が重要な役割を果たしている。資源が絶対的に枯渇化していくなかで,竹材生産などでの伐採,輸送上の損失があり,原料基盤を逼迫させる要因となっている。紙の消費量は国内生産量を超過しており,輸出産業の台頭により産業用紙を中心に輸入が行われている。一方,新工業化政策により紙生産能力は増加しているが,原料不足のため生産量は能力を下回っている。また,生産コストに占める原料費の割合は高い。以上により,本論文では原料問題の解決が急務であることを示し,解決策について総括的に明らかにした。
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