不在村所有者の森林管理に関する研究 : 高知県嶺北地域の大川村・本川村を事例として
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概要
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90年センサスによると不在村所有森林は,全国の私有林面積の22%をしめる。一般に不在村所有森林は森林・林地の管理・保全に,様々の問題を引き起こしているといわれている。本研究では流域管理システムのモデル地域として全国的に注目されている,高知県嶺北地域の大川村,本川村を対象に不在村所有森林の管理状況について,不在村所有者に対するアンケート調査を行い,その実態と問題点を明らかにした。本地域の不在村所有形成過程は会社等の大山林所有形成と過疎化やダム建設による人口流出によるものがある。アンケートによる結果では不在村所有者は所在地,境界線をかなりの者が把握しており,半数以上が林業活動を行っている。間伐は森林組合を中心に,下刈り,枝打ちは本人もしくは森林組合を中心に行っている。また,役場,森林組合は現在のところ不在村所有者は地域経済,森林管理の弊害とはなっていないと考えている。しかし,将来的には森林の放置や売却を考えている者があり,アンケートの返送数の多さからも所有者の所在が不確定な無縁林も形成されており,平均年齢の高さから近い将来の世代交代により森林管理に変化が起きることが予想される。
- 応用森林学会の論文
- 1997-03-25
著者
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