バングラデシュにおける製材産業と原木調達システムに関する研究 : ダッカ地域シュトラプール地区製材業の事例分析(1996年秋季大会自由論題論文)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
バングラデシュの製材産業は木材関連産業の中では民間企業を中心とした最大の産業である。製材需要は農村部では住宅建築などの直需に対応した小規模なものであり,多くは都市部に集中している。製材工場も注文生産を軸にして製材需要に対応して全国的に立地しているが,需要構造から都市部に集中している。とりわけ国内最大の都市であるダッカ地域は主要な製材産地であり,なかでもシュトラプール地区は最も製材工場数が多い。この地区の製材業者は木材供給業者を金融支配下において,広域から集荷し,地域内需要に対応しつつ,近隣地域にも製品の出荷を行っている。製材業者は素材販売業も兼業しており,大規模層を除けば製材量に大きな差はなく,素材販売量が事業規模を規定している。また,地区内の木材業者に土場を提供し彼らの原木の賃挽も行っている。製材業者は階層性を内包しつつも木材の生産流通構造の中で中核的な位置を占めている。製材産業の最大の問題は原料問題であり,国内の森林資源が枯渇する中で原料の慢性的不足に陥っており,製材用原木の輸入も開始され,原料基盤も大きな転換期を迎えている。
- 林業経済学会の論文
- 1997-10-01
著者
関連論文
- 魚梁瀬杉の間伐材を用いたバッグを開発・販売 (特集 農商工連携--農業・農村の未来を拓くために) -- (各地で進む農商工連携)
- 中山間地域自治体における狭域行財政システムの可能性(Part.2)長野県阿智村を事例として
- バングラデシュにおける製材産業と原木調達システムに関する研究 : ダッカ地域シュトラプール地区製材業の事例分析(1996年秋季大会自由論題論文)
- バングラデシュにおける紙・パルプ産業に関する研究(自由論題論文,1994年秋季大会)
- 中山間地域自治体における狭域行財政システムの可能性(Part.3)高知県梼原町を事例として
- 地方自治体による新たな林政の取り組みと住民参加 : 高知県森林環境税と梼原町環境型森林・林業振興策を事例に(統一テーマ:地方自治体による新たな林政と森林管理,2004年春季大会論文)
- 流域再生に向けた森林へのあらたな環境支払い (特集 新たな森林・林業) -- (第1部 流域に甦る森林・林業)
- ヒノキ市場と産地構造の再編に関する研究
- 再編期における素材生産業の組織化と課題 : 全国的動向と高知県の事例
- 90年代の日本林業と21世紀に向けた研究課題(1996年秋季大会コメント)
- 2 戦後林業労働問題研究の軌跡と今後の研究課題(〔統一テーマ〕林業労働力の再生産条件をめぐる諸問題,I 1991年度春季大会統一テーマ報告)
- 80年代の林家経営の評価をめぐって(テーマ:林業経営の最近の動向について,1987年度第1回例会コメント)
- コメント.国有林財政問題をめぐって(国有林財政と臨調,林業経済学会1983年度第2回例会報告)
- 木材流通量をはかる(シリーズ森をはかる その18)
- 木材流通量をはかる
- 九州における広葉樹市場の展開と現状 : 資源枯渇化と製材・加工の対応(自由論題論文,1989年度秋季大会)
- 国産材流通と産地形成 (1990年度(第28回)西日本林業経済研究会報告)
- 報告3.九州における広葉樹市場の展開と現状 : 資源枯渇化と資材・加工の対応(自由論題報告要旨,1989年度秋季大会報告)
- 産地間競争の激化とヒノキ製材産地--四国西南地域の実態 (林業経済学会1988年度秋季大会討論要旨) -- (日本経済の構造転換と国産材産地の変貌)
- 産地間競争の激化とヒノキ製材産地 : 四国西南地域の実態(統一テーマ:日本経済の構造転換と国産財産地の変貌,1988年度秋季大会報告)
- 円高基調下の梱包材産地 : 重量物・輸出梱包主体の須崎地区の実態(1986年度秋季大会自由論題論文)
- 報告4 円高基調下の梱包材産地 : 重量物・輸出梱包主体の須崎地区の実態(自由論題要旨,1986年度秋季大会 報告)
- 報告5.四国地方における木材市売市場の展開と再編構造(自由論題,林業経済学会1983年度秋季大会報告)
- 報告II.国産材の主産地形成と組織化(「地域林業」と林業生産力-主産地形成論の課題,林業経済学会一九八〇年度秋季大会)
- 流域管理システムと国有林の「施業モデル林」に関する研究
- 不在村所有者の森林管理に関する研究 : 高知県嶺北地域の大川村・本川村を事例として
- 山村経済と林業の展開 : 高知県土佐町を事例として(林政)
- 国有林経営と山村経済 : 魚梁瀬国有林と馬路村(林政)
- 進む過疎化と山村振興の課題 : 西日本一の過疎山村・別子山村を事例として
- 四万十川地域における川と森を活かす取り組み(2008年度西日本林業経済研究会の報告)
- 国産材産地・日田市場の発展と構造的特質
- 第4報告 地方自治体による新たな林政の取り組みと住民参加 : 高知県森林環境税と檮原町環境型森林・林業振興策を事例に(地方自治体による新たな林政と森林管理,2004年林業経済学会春季シンポジウム)
- 原木市売市場の構造変化と再編過程(日本林業再構築のモーメントと方向をどう考えるか(I))
- 遠藤日雄著, スギの行くべき道, 社団法人全国林業改良普及協会, 2002年3月, 170頁, 税・送料別923円
- 久万林業から日本林業をみる : 林業の虚構(実相)と市場の実相(虚構)(統一テーマ,一九九九年西日本林業経済研究会報告)
- 報告 日田林業の構造(1984年西日本林業経済研究会)
- 報告1. 広葉樹用材の産地構造 : 宮崎県都城地区を中心に(1983年西日本林業経済研究会)
- 国産材市場の再編と組織化(3・完) : 勝山市場の実証的分析
- 特集3 木材市場構造の変貌と八〇年代の課題(日本林業における八〇年代の課題)
- 第二報告 伐出労働力の地域再生産の課題 : 第三セクターソニアの事例(1995年度西日本林業経済研究会報告)
- 報告2 戦後林業労働問題研究の軌跡と今後の研究課題(林業労働力の再生産条件をめぐる諸問題,林業経済学会1991年度春季大会討論要旨)