ソフトウェア開発における外部機能の仕様記述の曖昧さに着目したテスト項目設計法

概要

論文の詳細を見る
現在,外部機能仕様書に基づくシステムテストでは,十分なテスト実施工数を割り当てられないため,品質リスクなどに基づいて限定的にテスト項目を設計している.品質リスクの一つとして欠陥作り込み要因があり,モデルの規模の大きさや複雑さや,過去の欠陥の傾向,開発成果物の記述の曖昧さなど様々な捉え方で従来検討されている.本論文では自然言語で記述された外部機能仕様書を対象とし,仕様記述の曖昧さを特定し限定的にテスト項目を設計することを目的とする.開発成果物の記述の曖昧さに関する従来研究には, Kamstiesらの研究, Kanerらの障害の分類, 7つの設計原理があるが,これらの研究は多面的に曖昧な仕様記述を特定できない.また, SRS特性は,曖昧な仕様記述の特定が暗黙的になってしまう.よって本論文では,外部機能仕様書における曖昧な仕様記述に関して実践的な検討・整理を行うことにより,曖昧な仕様記述を後工程欠陥要因と定義し,多面的に後工程欠陥要因の特定が行えるようにするために27の後工程欠陥要因の観点を提案する.そして,後工程欠陥要因の観点に基づきテスト項目設計法を提案する.最後に提案の有効性を確認する.
2012-07-15