多国籍企業によるグローバル知識結合と研究開発機能の地理的集積
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概要
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本稿の目的は,多国籍企業による海外研究所の立地とその地域的影響に関する研究成果を整理し,グローバル化の下での研究開発機能の経済地理学研究の方法と課題を明らかにすることにある.従来の研究では,海外研究所が基礎研究を行うのか,現地市場向けの製品開発を行うのか,子会社化しているのか否か,といった機能や組織の違いによるR&D立地の差異,国のイノベーションシステムとの関係が主に扱われてきた,しかしながら,多国籍企業は,現地市場に対応する開発拠点のみならず,ローカルな知識を吸収し,それらをグローバルに結合する研究拠点を展開してきた.また先進国から新興国へと研究開発拠点を拡大するとともに,コストを節約しながら研究開発人材の活用を図ってきている.今後の研究課題としては,国内と海外の研究所との国際分業関係の変化を把握するとともに,知識のフローや研究開発人材の育成と定着にとって,研究開発機能の地理的集積が果たす役割を明らかにしていくことがあげられる.
- 2012-06-30
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