多国籍企業によるグローバル知識結合と研究開発機能の地理的集積
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は,多国籍企業による海外研究所の立地とその地域的影響に関する研究成果を整理し,グローバル化の下での研究開発機能の経済地理学研究の方法と課題を明らかにすることにある.従来の研究では,海外研究所が基礎研究を行うのか,現地市場向けの製品開発を行うのか,子会社化しているのか否か,といった機能や組織の違いによるR&D立地の差異,国のイノベーションシステムとの関係が主に扱われてきた,しかしながら,多国籍企業は,現地市場に対応する開発拠点のみならず,ローカルな知識を吸収し,それらをグローバルに結合する研究拠点を展開してきた.また先進国から新興国へと研究開発拠点を拡大するとともに,コストを節約しながら研究開発人材の活用を図ってきている.今後の研究課題としては,国内と海外の研究所との国際分業関係の変化を把握するとともに,知識のフローや研究開発人材の育成と定着にとって,研究開発機能の地理的集積が果たす役割を明らかにしていくことがあげられる.
- 2012-06-30
著者
関連論文
- 少子高齢化時代の地域再編(少子高齢化時代の地域再編と課題)
- グローバル経済・人口減少社会における日本の都市システムと都市内部構造の再編(変化する日本の都市の経済地理学)
- 研究開発機能の集積をめぐるグローバル・ローカル関係 : 2009年度横浜地域大会・第2回日韓経済地理学シンポジウム(フォーラム)
- 民間デベロッパーの街づくり (特集 「地理」にみる昭和の日本) -- (昭和50年代後半)
- グローバリゼーションと産業集積の理論
- 特集インタビュー 産業立地政策のこれからを考える (特集 産業立地政策のこれからを考える--立地政策と立地センターの50周年を見据えて)
- 討論記録(抄録) (大会記事 経済地理学会第55回(2008年度)大会) -- (大会シンポジウム グローバル化時代の大都市--東京(圏)に焦点をあてて)
- 討論の概要と座長所見([大会シンポジウム]グローバル化時代の大都市-東京(圏)に焦点をあてて-,経済地理学会第55回(2008年度)大会)
- 学習地域におけるテーマ共有の重要性 : 東大阪地域の例
- 1C05 公的先端技術プロジェクト導入による地域の活性化 : 「学習地域」の東大阪の例((ホットイシュー) 地方公設試験場, 公立大学の法人化と地域イノベーション政策 (1), 第20回年次学術大会講演要旨集I)